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長時間労働の改善をめざして

 梅白し まことに白く 新しく (星野立子)

この句のように梅の花が見頃になるのは、ここ山形ではもう少し先のようです。ただ外を見れば、道路脇には雪が残っていますが、このところの暖かさで路面はすっかり乾いています。だいぶ春めいた陽気になってきました。気象台のデータによると、積雪も10㎝。まさに「向春」です。

DSC_0001%20%28220x124%29.jpgさて、ちょっと古いですが年末年始、取引先出版メーカーや取引先金融機関の方々とお話ししていて、共通して話題になるのは従業員の長時間労働についてでした。

1月中旬、塩崎厚生労働大臣による記者会見で、次のような発言がありました。
「三六協定の上限を超える長時間労働をさせていた実態は(昨年末に書類送検された)電通と共通だ」。さらに、男性が上司から残業時間の過少申告を指示されたと訴えていることについて、「上司が法律違反をさせるように自己申告を命じているわけだから言語道断だ。私どもとしては看過できないとして書類送検した」というものです。
これは、三菱電機が元社員の男性に違法な長時間労働をさせたとして、労働基準法違反容疑で書類送検されたことを受けたものです。労働組合との取り決めでは、残業は1か月60時間が上限でしたが、この1か月間は、78時間9分の残業をさせていたということです。ある時は、100時間以上の残業もあったということです。
また、同じ1月には、関西電力の元課長職が過労自殺した問題で、福井労働基準監督署が関西電力の社長を出頭させ、労働時間管理を徹底するよう直接指導したことが明らかになりました。1ヶ月の残業は、200時間に達することもあったそうです。もうこれは異常です。

平成27年12月25日のクリスマスの日、電通の新入社員だった高橋まつりさんが会社の寮から飛び降り自殺しました。24歳でした。これを機に、長時間労働やサービス残業などの過重労働が注目を集め、大きな社会問題になっています。
過重労働は、企業だけの問題ではありません。官公庁や病院、介護施設、学校、すべての業種で大きな問題となっています。

特に、教育現場である学校では何十年も前から、長時間労働や時間外勤務における適正な手当が支給されていないことが常に大きな問題となってきました。
「先生方は毎日忙しくてたいへんだね」という声はよく聞かれます。しかし、その具体的な実態はなかなか理解されていないのが現実ではないでしょうか。
朝日新聞の、これも同じ1月のデジタル誌面に次のような記事がありました。
『小中教諭の7割、週60時間超勤務、医師や製造業上回る』のタイトルで、「週に60時間以上働く小中学校の先生の割合が70~80%に上ることが、全国の公立小中学校の教諭約4,500人を対象にした連合のシンクタンク『連合総研』の調査でわかった。医師や建設業、製造業など他業種より格段に高い割合だ。特に運動部の顧問の先生は出勤が早く、午前7時前に出勤する人が15%いた。文部科学省も学校現場の負担減へ対策に乗り出している」というものです。

DSC_0002%20%28220x124%29.jpg国は教員に対し、「教職調整額」という名称で、一律4%の残業手当を支給しています。手当支給までの経緯は紆余曲折がありました。
文科省の資料によると、昭和23年、給与制度改革を行う際、教員の勤務時間は単純に測定するのは困難であることを踏まえ、教員に対しては超過勤務手当は支給されないこととされました。
しかし、当時の文部省から、超過勤務を命じないとの指示が出されたにもかかわらず超過勤務の実態が多く、多くの都道府県で時間外勤務手当の支給を求める訴訟が出され、「超勤問題」として大きな社会問題となりました。
このような状況を踏まえ、昭和41年、文部省は1年をかけて全国的な教員の勤務状況調査を実施、昭和43年に俸給の月額4%に相当する教職特別手当を支給する法律案が閣議決定され、国会に提出しましたが、結局廃案になってしまいます。
昭和46年、人事院は義務教育諸学校の教員について、その職務と勤務態様の特殊性に基づき、新たに教職調整額を一律支給する制度を設け、超過勤務手当を支給しないことを提言します。
政府は人事院の申し出を踏まえ、「教職調整額の支給等に関する特別措置法(給特法)」案を国会に提出し、同年5月に制定され、昭和47年1月より施行されました。
ようやく教員の残業に対して、具体的な手当がなされたわけです。

問題は支給額「4%」の積算根拠です。これは、前述した昭和41年の文部省が実施した教員の勤務状況調査によるものです。当時の教員の一週間当たりの超過勤務時間が、小学校が1時間20分、中学校が2時間30分、平均すると1時間48分。1ヶ月に換算すると約8時間になります。
これを年間44週(当時)にわたって行われた場合の超過勤務手当に相当する金額が、給与に対して4%に相当するということによるものです。

それでは、今現在の教員の超過勤務実態はどうなのでしょうか。文科省が平成18年に実施した調査結果(ちょっと古いでが、小中学校を対象にした全国的な調査では直近のもの)によると、1ヶ月当たりの超過勤務時間は約35時間です。昭和41年の全国調査時の4.4倍の超過勤務時間です。
手当額は、教職調整額が制定されてから50年以上経った現在も4%のままで支給されています。現実に超過勤務時間が4倍以上になっていながら、手当額は昔のままという、制度と実態との乖離をどう見直していけばいいのでしょうか。

ただ、見直しには課題も指摘されています。
「授業以外は、教員の自発性・創造性を活かした職務であり、上司の命令に従って一定時間働くことで一定の成果が出るというわけではない」
「教員の職務はストップウォッチで計ったような時間計測に基づく評価はなじまない」
「教員の職務は一律支給の調整額という枠組みでとらえきれなくなっているのではないか」
「勤務日1日あたりの平均の残業時間が0分の者もいれば、5時間以上の者もいる」等々。
しかし、安倍首相も昨年10月、教育再生実行会議のあいさつで、部活動のあり方に関して、「学校教育においても教師の長時間労働が顕在化している」との見解を示しています。
厚生労働省では、三六協定での時間外労働規制について、「法改正を検討する必要がある」との有識者会議の報告を受け、「一定期間内の総労働時間の枠を定める」方向で検討に入りました。改善に向けた具体的な動きが出てきています。

gahag-0035876123%5B1%5D%20%28220x147%29.jpg企業経営の言葉に「ES(従業員満足)なくして、CS(顧客満足)なし」という言葉があります。顧客と接する従業員が満足していなければ、顧客に真の満足を与えることはできません。
学校も同じです。子ども達の健やかな成長のためには、先生方の健康と情熱、確かな指導力が不可欠です。なかでも、教育に対する愛情、情熱は教師の魂そのものだと思います。もっと、毎日の授業や子ども達との関わりのために多くの時間をかけることができるようなシステムや制度改革を願うばかりです。

学校現場における先生方の負担軽減、多忙化解消は、これからの日本の教育の未来を考えるうえで、喫緊の課題だと思います。民間企業においても、従業員満足度が高くなければ顧客の満足は得られず、売上げアップは図れないでしょう。
山形教育用品のみなさんも、ライフ・ワーク・バランスを図りながら、メリハリをつけ、仕事に励みましょう。(2017.2.27)

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