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「貧乏」だった時代の話

 うまさうな 雪がふうはり ふはりかな  (小林一茶)

めっきり寒くなりました。暦では「小雪」です。今年の冬は暦どおりの気候です。子どもの頃、寒くなると綿入れ半纏を着せられました。現代人は決して着ることがないその防寒具は、ぶくぶくとした相撲取りの着ぐるみのようなものです。今で言えばダウンコートみたいなものでしょう。子ども達は半纏を、大人はどてらをみんな着ていました。今考えれば、そのいでたちはある意味「貧乏」な時代の象徴のようなものでした。昭和の20、30年代はみんな貧乏だったと思います。
GUM10_PH04185%20%28220x146%29.jpgもちろんわが家も同様で、子どもの靴と言えば「ゴム靴」でした。雨でも晴れでも、川でも池でも水陸両用のこの履き物は極めて重宝したものです。傘も穴が空いたり骨が壊れたら修理してもらっていました。使い捨てのビニール傘ではありません。柄には金粉のようなもので自分の名前を書いてもらって使っていました。名入れですから自分の持ち物への愛着が強くなるのはもちろんです。おじいちゃんの職人が学校に来て、10円か20円で書いてもらいました。ゴム長靴にも同じように名入れしてもらったような記憶があります。
綿入れを着ても部屋の中は寒く、豆炭こたつの中に足を入れてじっとするばかりです。今の住宅のように全室暖房でもなく、真冬でもあんかやこたつ。水道もない間借りの住まいの台所には共同で使っている井戸から手押しポンプで汲んできた飲用水が、朝になるとうっすら氷を張っていました。

昔を語れば語り尽くせないくらい話題はたくさんあります。みんな横一線の貧乏生活だったと思います。どこのうちも同じような貧乏暮らしだったので、たいていのことには驚きませんでしたが、次の経験には本当にびっくりしました。
小学校一年か二年生の時、掘っ立て小屋のような住まいに暮らしていた友達から「今度引っ越すから見に来ないか」と誘われました。「へえ、すごいな。どんなうちに引っ越すのかな」と、期待しながら見に行くと、あまりの光景に目を丸くしてしまいました。
それは、住んでいる掘っ立て小屋自体を曳いていく引っ越しでした。弘前城や長井小学校を油圧で引っ張る現代の曳屋のような高度な作業ではありません。小屋の下に丸太を敷いて小屋につけた綱をみんなで「わっしょい、わっしょい」と人力で引っ張る引っ越しだったのです。家の引っ越しを見たのも初めてでしたが、無駄のない、簡潔な、思いっきりのいい引っ越し作業には、貧乏に慣れていた自分も正直驚きました。
「飯野、おまえも曳いてみっか」と友達に言われ、いっしょになって綱を引っ張る人を見ると、それは友達の家族たちでした。父親はもちろん、母親も弟や妹も一緒になって曳いていたのです。今考えると、何とも滑稽な光景です。持ち物といえば鍋釜が少し。友達の着ているものは学校でいつも着ている鼻水や汚れでてかてかになっている一張羅の学童服。もちろん履き物はすり切れたゴム靴。そして、家族が一つになって自分の持ち家である小屋を一生懸命に曳いている。「ごろごろ、ごろごろ」と音を立てながら、小屋は少しずつ前に進んでいく。これほど見事なまでの貧乏はないと思える光景でした。
%E9%9B%AA%E5%8E%9F%EF%BC%90%EF%BC%91%20%28220x146%29.jpgその友達は、今どうしているのかわかりません。もちろん、引っ越しした小屋がどうなっているのかもわかりません。引っ越しは友達が住んでいた宮町から銅町の元の九小あたりまでの結構な距離でした。今その付近を通っても、きれいに整備されていて当時の面影はほとんどありません。昔は土手や坂があって起伏がある土地でした。面影はなくても、なぜか懐かしい時が流れるようで、心地よい気持ちになります。

あえて貧乏な生活に戻りたいとは思いません。金がなくても心は豊かでいられるとも思いません。年をとればとるほど、快適な生活へのあこがれも強くなってきます。でも、今ほど格差が大きくなかった時代、妬みやそねみといった心の貧しさもなかったのではないかと考えてしまいます。
「貧乏」な生活から抜け出したいと、みんな必死にがんばっていた高度成長時代の話でした。(2017.11.27)

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