社長ブログ

「小学校外国語活動」と「C」改革

2008.04.08

文部科学省ホームページに、「小学校外国語活動サイト」なるものが登場しました。新学習指導要領に登場した「外国語活動」は、「音声を中心に外国語に慣れ親しませる活動を通じて、言語や文化について体験的に理解を深めるとともに、積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成し、コミュニケーション能力の素地を養うことを目標」とすると書いてありました。
このサイトには、『英語ノート』の試作版として、5年生と6年生のそれぞれ9レッスン分の指導計画や授業の資料がのせられており、ダウンロードして使うことができるようになっています。なお、「指導要領第4章外国語活動」には、「外国語活動においては、英語を取り扱うことを原則とすること」とあります。
6年Lesson 3では、「カレンダーを作ろう」というタイトルのもとで、第1時には「日本の行事や特徴を確認し、行事の行われる月の言い方を知る」第2時「自分の誕生日を言う」第3時「月日について訪ねたり応えたりして、誕生日カレンダーを作成する」第4時「作成した誕生日カレンダーをもとに、誕生月を紹介する」という計画が示してあります。
「使用表現等」という欄には、「When is your birthday? My birthday is March third. 」
このようなレッスンが、全部で18示されています。一つ一つとても楽しく、またどう展開すればよいか分かりやすくて、先生方は便利だろうなと思います。これに合わせて、絵カードやCDもあります。完璧です。もう、4月から授業できる!
でも、これでいいのかなあと思ってしまいます。「今日はカレンダーを作ります! 日本の行事で、何か知っているものはありませんか?」「お正月です」「七草です」「節分の豆まきがあります」………。楽しそうですが、子どもたちは、「あれ、今、どうしてカレンダーつくらなければならないのかなあ」とは、思わないのでしょうか?
指導要領第4章外国語活動「指導計画の作成と内容の取り扱い」には、「児童や地域の実態に応じて」や「体験的な理解を図る」「児童の興味・関心にあったもの」「外国語の堪能な地域の人々の協力を得る」「国際理解に関わる交流等を含んだ体験的なコミュニケーション活動を行うようにする」などの表現があり、子どもたちが学ぶ必要感を持ち、実感や感動が行き交う授業となり、生きる力が育まれることを求めています。
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4月7日の山形新聞、「山口常夫県教育長インタビュー」は『「生きる力」はぐくむ 培うコミュニケーション力』の見出しで、まさに、新しい外国語活動が目指すものを我が山形県は、「C」改革として行うのだということを謳っていました。
「C」改革を実践する山形の先生方は、このたびの英語ノート(試作)もこのまま教えるのではなく、地域の実態や求めに応じて、子ども一人一人としっかり向き合い、子どもたちが求める学びとなるように単元を構成して授業を行うことでしょう。
外国語活動のねらいは、あくまでも英語にあるのではなく、「コミュニケーション能力の素地を養う」ことにあるのですから。

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