社長ブログ

夏です!

2008.05.08

5月5日は立夏でした。暦の上では夏なのです。どうりで暑いなあと思いました。今、我が家の庭ではタカネバラがやさしい花を咲かせています。夏です。
この花は、親戚のOさんからいただいたものですが、むかし、千歳山や龍山にはたくさんあったそうです。今もおそらく、ひっそりと咲いているかもしれません。千歳山にたくさんあったといえば、ヒメサユリも、たくさんありました。
千歳山は、私の小さい頃の遊び場で、夏の日盛りには、昆虫網を片手に走って行って、たくさんの昆虫を捕まえてきたものです。そのついでといってはなんですが、手に抱えられないほどのヒメサユリを、得意げに母に差し出したものでした。
ヒメサユリは、千歳山のお稲荷さんの左右に分かれる山道の、その斜面にいやになるほどたくさん、咲き乱れておりました。だから、私が抱えられないほどのヒメサユリを、数回とったとしても、今の千歳山のヒメサユリの絶滅とは無関係であります。
それは、他のヒメサユリの群生地が、ことごとくなくなってしまったことを見れば明らかです。上山の西郷二小の裏山とか、忠川池のまわりの山々とか、高瀬地区とか、西山形地区とか、本当に、近くの山々の斜面の明るい樹陰には、どこにも咲いていたのです。
私が思うに、これは、たくさんの心ある人々が絶滅を心配していろいろ手を尽くしても、なんともならなかったのです。そうです。地球温暖化のせいです。地球全体がまだまだ寒かった頃、ヒメサユリはふつうにあったのです。そして、私たちのふるさとがまだまだまともだった頃、最後の花を咲かせていたのです。そして、ついに、・・・。
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タカネバラも、同じ運命をたどりつつある植物に思えてなりません。まだ我が家で、それでも元気よく葉を伸ばし、つぼみをつけ、花を咲かせてくれています。タカネバラは、すぐに花びらを落としてしまいます。やっと花を開き、虫たちを呼び寄せる甘い香りを発し、日中せいいっぱいに花びらを伸ばし、伸ばしたついでにはらりと落ちてしまいます。
あの淡紅色の色といい、一重の花びらといい、そしてはらりと落ちるその姿といい、えに言われぬ優美さを感じます。バラといえば色とりどりの、豪華絢爛たるイメージです。それは西洋のバラです。日本のバラは違います。ノイバラといい、ハマナスといい、このタカネバラといい。
タカネバラを見ていると、日本人でよかったなあと、しみじみ思うのです。もちろん、西洋のバラはバラですてきです。でも、あのバラを見ても、日本人でよかったなあとは思わないではありませんか。
我が家には西洋バラもあるのですが、Oさんは見向きもしません。そういえば、Oさんは、娘さんに「たかね」という名前を付けたのでありました。 

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