社長ブログ

「学校図書展示会」に行ってきました

2008.05.15

三川町の「文化館なの花ホール」に行って来ました。現在、当社の「第38回学校図書展示会」を、県内4会場で開催しております。そのうちの庄内会場です。
「学校図書展示会」は、昭和46年に始められました。当時の社長石垣貞次郎先生は「そのころは本自体がありませんでした。よい本を図書館に入れたい、そういう思いが学校にはありましたが、本を手にとって内容を見て選ぶということはできませんでした」と話しておられます(当社PR誌「教育フロンティア」51号)。
tenji08-1.jpg
会場いっぱいに展示された本を、先生方はほんとうに真剣に見て、メモして、またメモを見て本を見て…。先生方は、本を見ている一方で、子どもたちの顔をうかべ、今ある図書館の本を思いうかべ、予算の額を思いうかべて必死なのです。
メモしてきた本の値段を調べて欲しいとメモを手渡す先生もいます。今年どんな本を入れたいか、学校で先生方にたずねてきたのでしょう。担当の者が急いで調べます。子どもたちに、楽しい本、よい本を1冊でも多く届けたいという先生方の気持ちが、ひしひしと伝わってきます。
そんな先生方のお姿を見ていましたら、5月12日の新聞記事を思い出しました。「財政難学校図書費を“浸食” 全自治体交付金の2割流用」という山形新聞の記事です。
「学校図書館を充実させるため、2007年度に国が全国の市町村などに交付税として財務措置した図書購入費約200億円のうち、実際に自治体が本の購入に予算化したのは78%にとどまり、20%超に当たる約44億円がほかの目的に使われていたことが10日、文部科学省の調査で分かった」
子どもの給食費や教材費をほかに使ってしまって払えない、そんな親が増えているそうですが、なんか、似ているなあ。国は図書館の図書を買いなさいと200億よこした、そのうち44億をほかのものに使ってしまった、そんなことしていいのかなあと、子どもたちは素直に思うでしょう。子どもたちに、うそをついているような気がするなあ。
%E3%82%A4%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%BD%E3%82%A603-1.jpg
13日の新聞には、「教材費も3分の1“流用”」という記事が載りました。「教材費、おまえもか」と言いたくなるような、そんな憤りを感じたのは、私だけではないでしょう。
道路は「特定財源」なのに、図書費も、教材費も「特定」ではありません。どうやら、教育は、道路よりも大事ではないようです、この国では。
図書費では山梨県が139%、教材費では東京都が165%と、国の予算を上回っているところがあります。我が山形県は、図書費は58%、教材費にいたっては39%です。教育なんか金のある人のものよ、と言わんばかりです。それでいいのかなあ。
夕方の展示会場には、たくさんの本と出会い、子どもたちに届ける本を選び終わり、にこやかに話す先生方の笑顔がありました。

« 社長ブログ 一覧 »