フェニックス君、がんばれ!
2008.05.26
「火星探査機『フェニックス』が着陸成功」というニュースが飛び込んできました。私は、こういうわくわくするようなニュース、好きなんです。
フェニックスは、昨年8月4日に打ち上げられました。新聞には「6億8千万キロの旅」とありますが、地球と火星の距離は、もっとも近いときは5,500万キロですから、そうとう寄り道して飛んだことになります。
これは、打ち上げられたロケットがまっすぐ火星に向かうのではなく、まず地球の周りを回る軌道に乗り、それから再び飛び立って火星の周りを回る軌道に乗り、それから火星の大気圏に突っ込むなんていうとても面倒なことをするからです。
地球と火星がもっとも接近する頃に、その距離や地球の軌道、火星の軌道、それぞれの自転や公転の速度などを考えて計算して、9ヶ月と22日目、きちんと着陸させるなんて、本当にすごい!
この着陸のさせ方がまたすごいのです。実は前回の着陸の時も、新聞記事やインターネットの記事を読んで興奮していました。なんと前回(2004年)はエアーバッグ方式で着陸したのです。
火星の軌道を回っている探査機を着陸させようとすると、火星の引力によりものすごい速度で火星に落下します。それで、まず、火星の大気との摩擦による1,500度近い高温をしのがなければなりません。それで、パラシュートを使い速度を落とします。
いよいよ地表に近くなったら、なんとかふんわりとやさしく着地したいものです。なにせ、コンピュータなど、精密な機械をたくさん積んでいるのですから。それで前回は探査機をエアーバッグでくるんでゴムまりのように弾ませて着陸させたのです。1キロも先まで転がりましたが、うまくいきました。
このたびは、積んでいる機械が重いため、エアーバッグでは間に合わなくて、飛行機のような、逆噴射によりふんわりと着陸することにしたのです。それらの動作の指示はすべてNASAからするわけですから、うまくいくのか、「魔の7分間」と言われていました。
それがうまくいったのです。パラシュートで速度を落としながら落下して、着陸用の3本の足を出し、パラシュートを捨て、レーダーで地面との距離を測りながら小刻みに逆噴射。見事着陸。
人間のやることって、すごいですね。また、その通りにしてくれる探査機のフェニックス君もえらい!さっそく太陽電池パネル、高さは2.2メートル、大きさは5.5メートルもあるそうですが、それを広げ、仕事を開始したそうです。フェニックス君、がんばれ!
遠く離れた火星でがんばるフェニックス君を思いながら、山形の子どもたちに、地球の謎の解明に挑戦する人間、人類の夢の実現に挑戦する人間目指して、しっかりと学んで欲しいと思います。