社長ブログ

今年もお世話になり、ありがとうございました

2008.12.26

「今日は我が社も御用納めです。お昼、ささやかに年越しそばを食べて、社内をきれいにして、年末の休みに入ります」と書いたのは、去年の12月28日でした。今年は、同じことを、今日書くことができます。無事に年を越すことができて、うれしいかぎりです。
米国発金融危機が世界中に広がり、円高もあって、日本でも自動車産業を中心に景気の悪化、派遣社員のリストラなどの雇用不安が広がっています。それにしても、今年は、金融とか経済とか、いろいろ勉強になる年でしたね。勉強の成果を少し。
金融不安の元は、アメリカのサブプライム問題でした。サブプライムローンがこげつき、ローン会社の債券を買った証券会社や銀行などが莫大な損失を受け、それが世界中に波及した問題でした。これは高い利息に目がくらみ、金儲けに走った結果でした。
アメリカはあぶないと、投資家たちが資金を引き揚げ、アメリカドルと株の大暴落が起きました。アメリカを手本としている日本もまた、経済危機に見舞われています。一体何が問題だったのでしょうか。
『21世紀の国富論』(平凡社)の著者原丈人は、「ゲームに踊らされて力を失ったアメリカ」を取り上げ、「今、アメリカでは企業価値(時価総額)を大きくした経営者がもてはやされますが、それは人間が本来求める幸せとは無縁のものです。そして、よい製品をつくるとか、優れたサービスを行うといった企業目標は、ROE(株主資本利益率)をはじめとする効率を優先した目標の後ろに隠れて、お題目化しつつあります」と指摘します。
派遣社員を切ることや自社資産を売却するなど、無理な人件費の削減や資産の軽減を図り、見せかけの数字をつくる「財務ゲーム」に踊らされているといいます。利益を上げることのみを考えて企業の買収・合併を繰り返す「マネーゲーム」により、「ひとつの産業が衰退してしまう」ことも起こっているといいます。
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12月24日山形新聞一面トップには、「大量人員削減その一方で・・・内部留保空前33兆円」「大手製造業16社集計 5社、減益も増配」の見出しが踊りました。「過去の好景気による利益が、人件費に回らず企業内部にため込まれている」「減益見通しにもかかわらず増配予想を変えていない」会社もあることを報じています。
企業の在り方が大きく問われる年の暮れとなりました。原は、「企業は、消費者に受け入れられる製品やサービスを提供し、従業員を幸福にし、地域社会に還元するという基本的な理念をもう一度確認し、株価など表面的な企業価値に踊らされない経営を目指すべきです」といい、「アメリカの真似」をしない日本企業の在り方を説いています。
新しい年は、難しい経済の勉強をしなくてもよい年でありますように。

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