縦糸と横糸
2013.03.19
中学校の卒業式に臨席してきました。感動的でした。校長先生から卒業証書をいただく卒業生一人ひとり。返事の声もしっかりし、姿勢態度には15歳の人としての“頼もしさ”が感じられました。式場にいる人みんなで「仰げば尊し」を歌っている頃から、卒業生だけでなく、保護者席、来賓席からもすすり泣く声。卒業生の合唱の頃には会場中が涙、涙でした。男性女性の区別なく卒業生が涙している姿から、その成就感や達成感の大きさが伺えました。式場の人みんなが、温かく穏やかな気持ちになっただろうと思います。
校長式辞、来賓祝辞、在校生送辞、卒業生答辞には、共通する言葉がありました。「たすきを、しっかりと受け取り、渡した(す)。」という一節です。“良き伝統”といったものを先輩から受け継いできちんと磨き上げ、それを後輩に引き渡す。そういうことでしょう。そのために精一杯の努力をしたと述べた答辞。それができたことを讃える式辞と祝辞。それをしっかりやっていく決意を表した送辞。そのような内容でした。
ところで、3月に入ってまもなく、当社では「若手・中堅研修会」が開催されました。商品に関わる研修会は頻繁に行われていますが、今回は違う目的です。第一部は「先人に学ぶ」。会社はどんな歴史を辿って今日に至っているのか。先人達は、どんな思いで、どんなことをしてきたのか。それを語る先輩の話に、後輩達は身を乗り出しながら聴き入っていました。
第二部はテーマについてのグループ討議。和気あいあいの中での自由討論。予定された時間では足りないくらいの活発さ。結論もさることながら、同世代の仲間がテーブルを囲んで語り合うこと、そのものに意義がありました。横の結びつきがより強まったのではないかと期待しているところです。
以前の職場で先輩から教えてもらった考え方です。
~「いのちの縦糸と横糸の交わったところに今の自分がいる。その縦糸と横糸を紡ぎ続けることが、自分の役割である。各人が自分の役割を果たすことによって、すばらしい織物が織り上がる」~
年度の替わり目、それぞれの学校や職場において、新しい仲間との出会いの中で、また新たに縦糸と横糸を紡ぐ取り組みが始まります。もちろん当社でも、より強い、より美しい糸を紡ぐ毎日が続きます。(平25.3.19)