社長ブログ

丁度よい

2014.06.19

先日、親戚の法事がありました。施主は私のいとこ。住職様は、先代住職の孫にあたる方です。先代が亡くなられたのは、まだ仏教大学の学生になる前だったと思います。修行の年月が過ぎて、数年前に跡を継がれました。まだお若いですが、凛とした中にも温かみのある雰囲気の中で、法事を執り行っていただきました。
住職の子どもさんはお二人。二人目は男の子。この3月に出産されました、住職が。世で言う産後休暇終了後間もなくの法事ということになります。長い髪を後ろに束ねて読経する姿を前に、私だけでなく親戚一同は皆、安堵していたはずです。いろんな経過のなかで、私たちには推し量ることのできない多くの思いを持ちながら、跡を継がれた方だと知っているからです。
法話のなかで、石川県にある寺院の坊守・藤場美津路さんが作られた詩を紹介してくださいました。30年以上の年月を経て、多くの方がご存じかもしれませんが、私は初めて出会った詩ですので、紙面を頂戴してそのまま……。
 
 お前はお前で丁度よい 顔も体も名も姓も そのままお前に丁度よい
 お前の連れ合い丁度よい 他の誰よりよく似合う ずっとお前に丁度よい
 親も先祖も子も孫も 嫁も姑も親類も みんなお前に丁度よい
 幸も不幸も貧も富も 運も不運も巡るもの
 自慢はするな卑下するな 他人を比べうらやむな
 お前の地位や財産は お前の器量に丁度よい
 お前の生きた人生は 誉めもできぬが悪くもない お前にすれば丁度よい
 病を得たらその病 お前の為に丁度よい 死ねば死んだでその時は 早くもなければ遅くもない
 お前にとって丁度よい
 後は地獄か極楽か 着いた所が丁度よい
 生まれ変わろがそのまま居よが どちらもお前に丁度よい
 何が起ころとどうなろと 腹を立てるな落ち込むな 先まで思い煩うな 常のお前が丁度よい
 神も仏も天も地も 時の流れも光陰も
 お前が生きるに丁度よい

IMG_0684%20%28180x240%29.jpg藤場さんの原詩のままなのかは不明ですが、このように朗読してくださいました。そして、ご自身が辿ってこられた心の変遷にも触れながら、私たちに対して共感的に、生き方について説いてくださいました。私の妻などは、法話を聴きながらハンカチで何度も涙をぬぐっていました。妻には「丁度よい」ではない人生を歩ませてしまったのかと、私は不安になってしまいましたが……。
理屈では無理と分かっていながら、多くを追い求めてしまいがちな私の心に染みる法話でした。
しかし、やっぱり欲は尽きません。開催中のワールドカップでは、ぜひ決勝トーナメントに進出してもらいたいですし、会社の売上や収益は「丁度よい」と思わずにどんどん増やしていかなければなりません。お許しください。(平26.6.19)

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