社長ブログ

子どもの作文に思う

2018.04.26

 葉桜に とどき日となり 風となる (後藤比奈夫)  
201804006%20%28165x220%29.jpg行く春です。吹く風にも春を惜しむ声が聞こえてきそうです。山形市内は桜もすっかり散り、葉桜となってしまいました。この季節、好きな曲にフォークデュオ「風」の『ささやかなこの人生』があります。伊勢正三が綴った歌詞「花びらが散ったあとの 桜がとても冷たくされるように 誰にも心の片隅に 見せたくないものがあるよね」で始まるこの曲は自分の青春時代そのものです。…また、脱線しました。
さて、毎年2月に山形県教職員組合発行の『山形の子ども 第45集』を本社にも送付いただきました。わたしたち山形教育用品も発行に協力している歴史ある文集です。
その中の一つ、寒河江市立白岩小学校1年 ぬのかわりこさんの作文「たしろであきをみつけたよ」の一部を紹介します。
 
『まつぼっくり、みつけた。』
『いっぱいあるよ。あ、これ大きい。』
201804007%20%28165x220%29.jpg まえのたしろ小学校のグランドには、まつぼっくりが、たくさんおちていました。
『すごい。きょうたろうくんのおばあちゃんがいったとおりだね。まつぼっくりひろいきょうそうだ。』
『ぼく、いっぱいひろったよ。』
 こうすけくんも、いっぱいひろっていました。小さいまつぼっくり、大きいまつぼっくり、いろいろあります。まるくてかわいいまつぼっくりです。まつぼっくりけんだまや、マラカスができそうです。
 一、二年生で、まえのたしろ小学校のところに、あきをさがしにいきました。たしろには、あきがいっぱいありました。
 三ぱんは、なずなちゃんとりゅうだいくんと、ゆうかちゃんです。みんなではしってきょうそうもしました。
 わたしは、くりと、はっぱの大きいのをひろいました。たしろは、すごくひろかったです。どんぐりもみつけました。たしろは水がいっぱいです。まわりも山がいっぱいです。山のほうから、はっぱのにおいがしてきます。

きっと生活科の「秋をさがす」学習で旧田代小学校に行ったのでしょう。りこさんの田代の自然にふれあった時の思いが、素直で感性豊かな文章表現で語られ心が温かくなります。特に、最後の「山のほうから、はっぱのにおいがしてきます。」からは、田代の秋を実感させてくれます。
田代小学校は平成24年3月に閉校し、翌25年4月に白岩小学校に統合されました。閉校当時のK校長先生、I教頭先生とは顔なじみでもあり、一度閉校前にお邪魔したことがあります。葉山に連なる山間の校舎に、全校児童12名の明るく元気な声が響いたことが思い出されます。
201804005%20%28220x165%29.jpg今、急速な少子化の影響で全国的に小中学校の統廃合が加速しています。山形県内の今年度の小学校数は243校、中学校数は99校、合わせて342校です。これは10年前に比べて、100校以上の減少になります。1つの町や村に1小学校、1中学校が当たり前になってきました。分校も、自分が新採当時は100校近くあったものが、今は課題を抱える子ども達の自立支援を促す学校教育施設としての分校が小中1校ずつあるのみです。昔のようなへき地にあった分校は1校もなくなりました。時代の流れですから仕方ないと思いますが、寂しい限りです。
学校はなくなっても、りこさんのようなふれあいはいつまでも残していって欲しいなと思います。(2018.4.26)

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