よろしくお願いします
2020.03.03
新任のご挨拶を申し上げます。去る2月の第64期定時株主総会において、代表取締役社長に選任されました阿部善和(あべよしかず)と申します。役員、社員と共に、精一杯務めてまいりますので、これからも山形教育用品に対しまして、温かなご支援、ご指導をよろしくお願い申し上げます。
また、長年にわたり会社の発展にご尽力いただき、2月をもって退任されました、飯野恭伸前社長には、深く感謝と敬意を表したいと思います。誠にありがとうございました。
突然ですが卒業式の話をします。私は、昨年の3月まで、教員として中学校に勤務していました。大学を卒業して、初めて教壇に立った年に3年生を受け持ちました。無我夢中で過ごした1年間。うれしいことや悲しいことなど多くのことを生徒と共に経験しました。その1年間の最後の日、教員としての初めての卒業式は今でも忘れられません。式の最後に歌う卒業生合唱に完全にやられました。ほとんどの生徒が泣きながら歌う中、拳で溢れる涙を拭きながら全力で歌う男子生徒の姿に強く感動し、私も涙をこらえることができませんでした。
昨年は教員生活最後の卒業式。校長として、卒業生一人ひとりに卒業証書を手渡しながら、私も一緒に卒業だなと思うと感慨深いものがありました。式の終盤に、卒業生からの呼びかけと歌の披露が在校生と保護者に向けてあります。感動の場面ですが、教職員席からは残念ながら卒業生の後ろ姿しか見えません。ある意味主役のもう一人である卒業担任は席を立って中央で卒業生を見ますが、校長はおとなしくしていなければならないと思い、一昨年は席から動きませんでした。しかし、昨年は最後なので、図々しくも卒業担任と一緒に中央で見ました。最後に卒業生の顔を見られて満足と終わるはずでした。しかし、予想しないことが起きました。呼びかけの最中、突然「校長先生も私たちと一緒に卒業ですね。ありがとうございました」というサプライズがあり、一気に涙腺が崩壊し、人目をはばからず大泣きしました。
今回は載せませんでしたが、その間の卒業式も、すべてが感動的で、思い出深いものばかりです。
3月、代表取締役社長として勤務を始めたとたん、全国の小中学校、高等学校、特別支援学校が、春休みまで一斉に臨時休校になるという前代未聞の状況になっています。卒業学年の児童生徒と担任の先生方は、あと2週間と数日に迫った卒業式に向けて、大切な時間を過ごすはずだったと思います。卒業式に向けて準備してきたこと、クラスでのお別れ会、仲間や先生方ともっと話したかったこと…。「なぜ自分たちの時だけ」と悔しい気持ちで一杯だと思います。
在校生や保護者のいない卒業式になるかもしれません。歌も十分に歌えない卒業式になるかもしれません。せめて、一生に一度しかない卒業式が、仲間や先生と会える最後の卒業式が、一人ひとりの胸に刻まれる想い出深い卒業式になることを心から願っています。(2020.3.3)