新聞配達
2020.11.12
私は小学校6年生の1月から中学校2年生の9月までの1年8ヶ月間新聞配達をしていました。
やるきっかけは、友人が新聞配達を手伝い始めたことです(友人の兄が新聞配達をしていた)。夕刊配達だったので、学校から帰宅すると、遊び半分で、何人かの同級生と一緒に配達に付き合っていました。しばらくすると「本格的に配達をやってくれないか」と新聞販売所の店主から頼まれ、数名の同級生とともに夕刊配達(手伝いではなく一人ひとり配達地域が割り当てられた本格的なもの)を始めました。
1ヶ月後、同級生は次々と離脱していきましたが、私は配達先のいろいろな方から励ましの声をかけていただいていたことや、店主からの強い依頼もあり、断り切れずに続けました。
※小中学生の新聞配達は『労働基準法56条』により手続きを踏めば可能です。
部活動も始まるので中学校入学を機にやめようと思っていたのですが、「何人かの中学生も朝刊配達をしているのでやってくれないか」と店主に強く頼まれ、またまた断り切れずに朝刊にシフトを変えて新聞配達を続けました。
毎朝、5時に起床し、販売店に向かいました(1年8ヶ月で休んだのはボーイスカウトのキャンプの2日間だけでした)。約60軒分の新聞を数え、チラシを挟み込み(結構大変な作業です)、販売店を出発。配達を終えると直帰し、6時半前に帰宅。6時半からラジオの「基礎英語」を聴くという、自分で言うのも何ですが、絵に描いたような理想的な生活をしていました。
新聞配達で一番辛かったのは、11月から12月末くらいまでの「雨」の日でした。
10月に入ると、朝刊配達の時間帯はギリギリセーフの明るさですが、11月になると結構暗くなり、12月になると朝刊なのに「夜間」配達のようになります。
本当に夜だと、9時頃まではほとんどの家は玄関や部屋の明かりがついていますが、朝は玄関の明かりがほとんどついてないので真っ暗です。そこに雨が降ると、まさに「暗黒の世界」となります(注:個人的な感想です)。
雨の日は、雨ガッパからしたたり落ちる雨粒がとても冷たく、自転車のハンドルを握る素手(雨で手袋が濡れると新聞をつかんだ時もっと濡れてしまうので素手でした)がかじかみました。
今は、雨の日の新聞は、1部ごと薄いポリ袋状態に包装されて配達されますが、私が中学生の頃はそんな物はありません。約60部の新聞全体を、厚めの大きなビニールで覆って、雨で濡れないようにして(新聞を守るようにして)移動し、新聞の束から1部を抜き取り、濡れないように素早くポストに入れる作業を、真っ暗な冷たい雨降りの中でやることは大変辛いことでした。
明確な目的があって新聞配達を続けたわけではありませんが、この貴重な体験は自分自身をとても強くしたと思っています(修学旅行で4日間休むことをきっかけに新聞配達を終了しました)。
今現在、毎朝、「ご苦労様」と心でつぶやいて新聞をポストから取り出しています。(2020.11.12)