社長ブログ

21/41への大きな期待  ~ 地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化事業 ~

2024.07.01

 地元の教育振興に関わり、うれしいニュースが飛び込んできました。
 6月18日、文部科学省が特定地域での教員確保を目的とした「地域教員希望枠」の活用事業についての選定結果を公表しました。北海道教育大学や宮城教育大学などと並んで、山形大学地域教育文化学部も選ばれました。経過を振り返りますと、今年の3月19日から公募が始まり、4月19日までの1カ月間で全国から41件の申請があり、事業内容の提案に係る厳正なる審査の結果、21/41校が選定されたようです。山形大学の並々ならぬ努力と教育への熱意の賜と大変うれしくなりました。
 文部科学省の説明では、「この事業は、教育委員会と大学を結ぶコーディネーター教員が中核となり、教員を目指す『地域教員希望枠』の導入・拡充等の入試改革、離島・へき地、特別支援教育、不登校等の地域課題や特定分野に強み・専門性を有する教師養成等の地域ニーズに対応したコース・カリキュラムの構築を行うとともに、高校生に対する教職セミナー等の高大接続や、教員採用における特別選考等、大学と教育委員会の連携・協働のもと、地域が求める質の高い教師を継続的・安定的に養成し、確保するシステムを構築することを目的としている」ということです。本年度の予算は、21校で4.5億円を計上しています。教員不足が懸念される中、故郷に軸を置き、故郷に学び、故郷の教育に寄与する人材の育成に大いに期待を寄せるところです。

 地域の人材を地域で育てる。
 自明のようで、なかなか難しい課題です。これだけグローバルになった中で、ローカルとしての営みはなかなか厳しいものがあります。当然のことながら「地域で育てる」ということは、「地域のみで育てる」ことではありません。“視野を広く”と言う点からすれば、井の中の蛙ではいけません。大河や大海も必要です。しかし同時に、井の中をしっかり知り、井の中の仲間とともに悩み考え、井の中の課題解決に向けて実践していく姿勢や場が求められているのも事実です。いま生活している場、いま暮らしている所に軸足を置いてものごとを考えていくことは、生きてゆく核であり、将来にわたる歩みの原点ではないでしょうか。その核があるからこそ、グローバルな世界の中で、より広い視野を手に入れることが出来るのだと思います。

 「成長型コミュニティ創生につながる地域学校協働活動推進のための質の高い教員養成事業」
 これが、山形大学における取組名です。また、文部科学省のホームページにある取組概要には、「地域の中で質の高い教員養成を行う活動を通して地域学校協働活動を推進することで学校・地域・企業・NPO等が連携する成長型コミュニティ創生につなげることを目的とする。山形県における不登校児童生徒急増の背景にある子どもと大人のコミュニケーションの希薄化や価値観の乖離を解決するため、山形県の教育課題に対応した実践的カリキュラムとプロジェクト学習を通し、ファシリテーション能力、発達理論を踏まえた個別最適な指導力、および地域学校協働活動を推進するコーディネート能力を育てる。本事業を通し、学校・地域・企業・NPO等が連携する成長型コミュニティ創生につながる地域学校協働活動活性化のスターターとしての教員養成システムと、地域とつながりながら課題解決に取り組む経験の中で成長・発達を自覚し、自ら目標を設定して学び続ける教師を育てるコーチング方法を確立し、教員養成・研修のやまがたモデルの構築を目指す」とあります。
 山形らしい教員養成システムの構築に心から期待をしています。弊社といたしましても「県内の子どもたちの笑顔のために」一層業務に磨きをかけ、進んで参りたいと思っています。<令和6年7月1日 NO.8>

« 社長ブログ 一覧 »