木こりの話と研究・修養 ~ 実りの秋に想う ~
2024.09.17
…昔々、ある村に一人の木こりがいました。この木こりは毎日、村の森で木を伐採して薪を作る仕事をしていました。彼はとても熱心で、毎日一生懸命に木を切り続けていました。しかし、木こりは道具に対してあまり注意を払っていませんでした。彼の斧は次第に鈍くなり、木を切るのに時間がかかるようになっていました。それでも彼は、「努力すれば結果が出るはずだ」と信じ、黙々と作業を続けていました。
ある日、村の長老がその木こりの働きぶりを見て言いました。「君の努力は素晴らしい。しかし、君の斧が鈍くなっていることに気づいているか? 道具もまた、効率よく仕事をするために手入れが必要なんだ」と。木こりは少し驚きましたが、長老の言葉に納得し、斧の手入れを始めることにしました。彼は斧を研ぎ、刃を鋭くし、新しい技術や効率的な方法も学ぶようにしました。
数週間後、木こりは以前にも増して木を伐採できるようになりました。より短時間でより多くの木を切ることができるようになったのです。道具の手入れや新しい技術を取り入れることで、仕事の質と効率が大きく向上したのでした…
中学生の頃だったでしょうか。上のような話を伺った記憶があります。つい先日、書店で手に取った一冊の本の中に、似たような寓話を見つけました。以下のような内容です。
親方に励まされた木こりが、やる気満々で力の限り頑張り、切り倒す記録を更新すべく自分を奮い立たせて森に向かいます。が、努力空しく切り倒す本数が減っていきます。親方と木こりの最後の会話が印象的で心に刺さります。
木こり:「これでも力の限りやっているのです」
親方:「最後に斧を研いだのはいつだ?」
木こり:「斧を研ぐ? 研いでいる時間はありませんでした。何せ木を切るのに精一杯でしたから」
どちらの話も、タスクのことで頭がいっぱいで、スキルを磨こうなんて気にならない状況にある例えだと捉えられます。ねばり強さや不断の努力はもちろん大切ですが、目先のことだけにとらわれて本質や効率を考えられなくなっている状況を俯瞰する力も大切です。毎日毎日対症療法に追われていると内向きになってしまい、世の中の風を感じたり、外の景色を見たりする機会も少なくなってしまいます。木を切る仕事は、単に木を切ることだけではなく、自己の体調管理から大切な道具の手入れ、そして、木を切ることで生まれる影響や木を切る目的まで視野に入れていく必要があるということになります。
『仕事をしながら学び、学びながら仕事をする』
自明のようですが、なかなか難しいことです。弊社では、節目節目に、また適時性を大切にして、日々更新される学習教材や新商品の研修を行っています。子どもたちの笑顔のため、そして、学校からの「信頼」を生む第一歩と捉え、社員が一丸となって研究修養に励んでいます。お陰様で、学校、教育委員会など多方面から信頼のお声をかけていただいております。実りの秋、充実の秋に、さらなる研修を行い「斧を磨いて」参りたいと思います。<令和6年9月17日 NO.13>