伊予の国へ ~ プロペラ機と鯛めし、驚き! の連続 ~
2024.10.16
先日、秋晴れのもと、伊予の国(愛媛)に出張に参りました。
飛行機による移動は何年ぶりでしょう。そして、瀬戸内の海の幸…。
「おいしい山形空港」から伊丹空港、そして松山空港へ。3時間のフライトは順調で、眼下に広がる瀬戸内の海はとてもきれいでした。なんと、伊丹から松山まではANAのプロペラ機DHC8-Q400(通称Q4)によるフライトとなりました。プロペラ機は小さいながらなかなか精悍な顔立ちで、風きり音や振動はあるものの、テークオフ時はジェット機以上にシートに押しつけられる加速を感じました。一般のジェット機の巡航高度はおよそ10,000m以上。それに対し、Q4の高度は16,000フィート(約5,000m)辺りといいます。ジェット機の半分程度の高さを航行しているので、秋晴れの上空から瀬戸内の魅力あふれる景色を存分に楽しむことができましたし、テークオン時には臨時の滑走路の点検等があり、通常より多く瀬戸内上空を旋回してくれたので、ゆっくりじっくりGoogleマップの地形と重ねて景色を観賞することができました。
また、テークオフ時は大きく聞こえたエンジン音ですが、途中から全く気になりませんでした。後で知ったことですが、Q4の「Q」は「Quiet(静か)」という意味なのだそうです。なにやら機体から音波を出し、騒音や振動を小さくしているのだとか…。アナログ的な雰囲気を醸し出すANAのプロペラ機Q4でしたが、実は超ハイテクなプロペラ機だったのです。驚き!
松山空港ではご当地ゆるキャラ「みきゃん」に出迎えられ、「愛のくに笑顔あふれる愛媛県」のキッチコピーが眼に入ります。また、空港1階ロビーにある「蛇口からみかんジュース!(一杯400円)コーナー」や「蛇口から並々と注がれているワイングラスのみかんジュースタワー」が一際目立ちます。松山空港から会議のある西堀端までは、タクシーで20分程度です。ちょうどお昼時間でしたので、途中で昼食を済ませることにし、タクシーの運転手さんの勧める老舗鯛めし処「かどや」さんへ。有名な鯛めしを堪能したところです。
鯛めしは、愛媛を代表的する郷土料理の一つですが、私は、ずっと広島県の尾道が「鯛めし」の発祥の地だと思い込んでいました。しかも、鯛の身とだしを一緒に炊き込んだ一種類だけだと思い込んでいました。それは、子ども(昭和の時代)の時に見たテレビドラマ『鯛めしの唄』の影響だと思います。舞台は山陽新幹線開通前後の尾道市でした。裸一貫から鯛めしの駅弁屋「せとうち」を尾道駅前に開業した大谷守之助(俳優の芦屋雁之助)と千代(女優の鳳八千代)夫婦、そしてその養女となった亜紀子(女優の島田陽子)が駅弁屋の経営に勤め、やがて店の経営が傾きかけた時に家業を立て直してゆく姿を描いたドラマだったと思います。ドラマの真ん中に、いつも「件(くだん)の鯛めし」があったのです。自ずと「鯛めし=尾道」「鯛めし=炊き込み」とインプリンティングされたのだと思います(笑)。梅宮辰夫や左とん平、浜木綿子らの名俳優が出ていたのも覚えています。
実は、鯛めしは二種類ありました。鯛の身とだしを一緒に炊き込んだ「松山鯛めし」と、刺身に卵とだしをまぜたものをかけていただく「宇和島鯛めし」。老舗鯛めし処「かどや」でいただいたのは「宇和島鯛めし」でありました。プリプリの真鯛のお刺身に特製タレ×卵の風味が口いっぱいに広がります。炊き込みのホクホク鯛めしも絶品ですが、鯛の新鮮さとタレの絶妙なバランスが活きる宇和島鯛めしも絶品でありました。驚き!
“まな板に 鱗ちりしく 桜鯛 (正岡子規)”
午後の会議・懇親会が充実したことは言うまでもありません。<令和6年10月16日 NO.15>