感性豊かな作品に心が動きます! ~ YBC読書感想文「本の森たんけん」表彰式 ~
2024.11.13
先日11月9日(土)、山形メディアタワーにて、第57回YBC読書感想文「本の森たんけん」の表彰式を執り行いました。応募された607作品の中から「特選」に輝いた19名の児童生徒の皆さんが出席され、ご家族と関係者らが一堂に会しました。
会場になった山形メディアタワー8階会議室には、秋香る素敵な壇上花が飾られ、受賞を祝う温かな空間を演出しています。また、天井が高く、大きく広々とした窓からは秋晴れの市街が遠くまで見渡せ、清々しい空間になっています。親御さんと一緒に、受賞される児童生徒の皆さんが続々集まってきます。緊張気味の面持ちですが、YBC小川香織アナウンサーの明るいトーンに、会場はほのぼのとした空気に包まれています。午前11時、表彰式が始まりました。YBCの髙橋啓司取締役営業局長様のご挨拶に続き、お一人おひとりに賞状と記念の盾をお渡ししました。受賞されるお子さんの表情はとても明るく晴れやかです。緊張の中にもうっすらと笑みが感じられ、自信に満ちた姿は凜としています。代表3人による感想文の心のこもった朗読に続き、西村仁美審査委員長の講評がありました。
「本と出合ったことがきっかけとなり、自分の生活を丁寧に振り返ったり、行動を起こしたりしていることが伝わってきました…。」
一人ひとりの感想文には、その子なりの見方・感じ方・行い方が「自分の言葉」として表出され、感性豊かで胸を打つ作品ばかりです。本との出逢いで、自己を見つめ深く考えている姿が目に浮かんできます。そして、その出逢いを「自分の言葉」で紡いで文章にしていく。大変手間のかかることです。ねばり強さも必要になります。途中で諦めたくなったこともあったことでしょう。何度も何度も読み返し、推敲したことでしょう。手間暇を惜しまない、その姿勢が何よりも尊いと思うのです。
文章を綴ることの価値。ふと、教職時代に学校文集に寄せた想い(巻頭言)を思い出しました。
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「文章を綴る」
それは、人らしく生きる力を育てることだと思います。身近なできごとをとらえて、その中から、そこに生きる人を描いていく、自然の中で活動して自然とのかかわりを書いていく、仲間とのかかわりに心をうごかし、自分自身の考えをまとめていく。こうして書き綴っていくことは、やがて自分を見つめることになり、それが自らを大切にすることにもつながっていきます。自分のくらしを土台にして、身の回りの事実から目を離さず書いていくのは大変厳しい取り組みですが、それを乗り越えてこそ、人は成長していくのだと思います。…
それは、人とともに生きていく喜びを育てることだとも思います。文章は自分のために書くことは言うまでもありませんが、その文章を読んだ人との心の交流を生み出すことも多くあります。そして、あたたかい心のふれあいが、「自分の心をひらいて何でも言える」「同じ人間として聴いてもらえる」という仲間に対する信頼感を生み、それに支えられて、書く喜びや意欲が高まっていくことも事実です。ここに、自分と同じ思いで生きている人たちがいる。この人との共有の思いが、まわりの人たちのかすかな「つぶやき」にも耳を傾け、自分の弱さも見直すやわらかさ、あたたかさを培う力にもなるのです。作文はまわりの人たちと、いや、花や鳥など自然とともに心やさしく生きていこうとする姿勢さえをも育てる「学び」だと言えます。…
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是非今後も、たくさんの本と出逢い、その出逢いを綴り、応募してほしいと願っています。
文章を書いてまとめる「学び」は時間もかかるし、地味な取り組みですが、鉛筆の芯に心をこめて、これからも、こつこつ書き続けてほしいと願います。<令和6年11月13日 NO.17>