社長ブログ

海外教育視察  ~ 南半球の島国ニュージーランド訪問 ~

2024.12.25

 素晴らしい機会に恵まれました。
 ゆっくりとした「とき」の流れ。ゆったりとした「ま」の広がり。

 12月10日~14日まで、4泊5日による海外教育視察に行かせていただきました。このたびの海外教育視察は、お取引先である「株式会社内田洋行」の「教育ウチダ会」によるご招待を受け、参加させていただいたものであります。全国から教育関係会社の代表取締役社長さんらが集まり、20名を超える団体ツアーでの海外視察です。
 満天の星の下、成田国際空港を離陸し、一路9,346 km離れたニュージーランドへ…。
 10時間30分にも及ぶフライト。ボーイング 777-300ER型機の窓から見える雲海の上の星空は幻想的で、心が洗われるようでした。10日午前9時34分、無事にニュージーランドの大都市オークランド空港に着陸。その時はすでに、機内食を2食(夕・朝)いただいておりました。この上ない美味しさの機内食に感激至極で、特に、夕食はニュージーランド産のシャルドネやピノノワールのワインにPork rice bowl、パン、Lotus rootのサラダ、デザートのチーズケーキにコーヒーと豪華でありました。スプーン、フォーク、ナイフは、SDGsを強く謳うニュージーランドらしくすべて間伐木材活用の徹底ぶり。プラスティック製品は見当たりませんでした。
 
 ニュージーランド航空(Air New Zealand)の機体のシンボルマークは、皆さんもご存じかと思いますがラグビーで有名なオールブラックスのマークと同じ「シダの葉っぱ」です。詳しく言うと、マオリ族の伝統模様である「コルー (Koru)」(シダの芽の渦巻きをモチーフとしたデザイン)です。機体後部から垂直尾翼にかけて黒と白を基調にしたシダの機体マークはとてもかっこいいと思いました。シダの芽は「誕生、成長」を意味しているのだそうです。

 教育視察では、国際大学IPUの第34回卒業式への臨席、卒業記念植樹祭を含め、キャンパス内の施設の見学や教育内容(curriculum)の説明を受けました。実際に学生と対話する機会もあり、充実した教育視察となりました。国際大学IPUは、ニュージーランドの北島のパーマストンノースにあります。北島にあるオークランドと首都ウェリントンの間に位置します。街の人口は約9万人くらいとのことで、キャンパスは自然豊かで広大な土地に草花や樹木に囲まれて悠々と立っています。なんと桜並木もあるのです。また、ここ数年の記念植樹は桜(ソメイヨシノ)だそうで、当日もたくさんの卒業生や後輩、保護者が集まり「さくらの木」を植えていました。私もそっと土(木製チップ?)をかけさせていただきました。
 大学という、ある意味学校教育の最終(完結)の場、しかも卒業という人生の節目の場に立ち会わせていただき、とても感慨深いものがありました。卒業生の総代・ショーンケインチャップマン君の挨拶やその保護者(父親)の涙のスピーチ、パーマストンノース市長のウイットに富んだ祝辞、駐ニュージーランド日本国特命全権大使である大澤氏の温かでユーモアのある祝辞を拝聴し、胸が熱くなりました。また、学位授与における卒業生一人ひとりの生き生きとした姿やマオリ族の地区代表のご来賓が祝辞の中で歌われたルイ・アームストロングの「What a Wonderful World」が印象に残りました。日本からの学生も多くいますが、現地の学生を中心にインドネシアやブラジル、中国、インド、フィリピン、スリランカなど8カ国51名の学生が卒業しました。環太平洋大学構想に基づいて設立された国際大学IPUで学んだ卒業生は、グローバル社会の中で、他民族との出逢いを通じてさらに視野を広げ、まさに宇宙船地球号のことを考えて活躍されることでしょう。
 多様性と包摂性を大切にする教育文化、生活文化が根付く国、ニュージーランドの教育の素晴らしさを肌で感じることができました。平たく言えば、ニュージーランドは、SMAPの『世界に一つだけの花』にあるフレーズ「もともと特別なオンリーワン」が当たり前、童謡詩人の金子みすゞの『私と小鳥と鈴と』にある「みんなちがって、みんないい」が普通で日常である社会、国ということになるのでしょうか。皆が生き生き・はつらつとし、認め合って暮らす文化。まさに、今の日本の教育も同じ方向を向いて実践しようとしていることで心が奮えました。ちなみに、日本のような一斉の入学式はなく、小学校入学は5歳の誕生日を迎えた子からその子に合わせて順次入学し、義務教育は6歳から16歳までだそうです。制度としての学校は、小学校6年・中学校2年・高等学校5年(13年間が対象:年齢幅は5~18歳)で、その中に義務教育の11年間が包摂される感じです。ニュージーランド市民または永住権保持者であれば、5歳~19歳まで無料で公立学校に通うことができるといいます。また、小学校では「Whaia Kia Tutuki(自分の可能性に挑戦する)」というビジョンを守り、そのビジョンの実現に向けて取り組み、学習、指導、行動、スポーツ、文化など、学校生活のあらゆる側面を網羅しているようです。スポーツでは、多くの人が幼い頃からラグビーやクリケットに親しんでいるとのこと。やはり、ラグビーはニュージーランドの国民的スポーツのようです。

 忘れられない体験として、入国審査や出国審査のセキュリティチェックがトラウマになりました。何事三回とはよく言ったもの…。まさに、言い習わしの通り3回も怖い(笑)体験をしました。団体ツアーの中で私一人だけ(少し盛り過ぎ! 数名おりました…)が狙われたようにセキュリティチェックに引っかかるのです。万全を期して臨んでいるのですが、コンピュータによる顔写真のスキャニングとカメラによる自動映像審査では3回も弾かれ、挙げ句に「Come here!」「Just straight!」等と言われ一人だけ審査窓口に連れて行かれました。オークランド空港からウェリントン空港までの国内線チェックでも、身につけていたベルトやパスポートが反応し、一時パスポートを取られ(別に取ったわけではなく別ルートでのチェックだったようですが…)、「My passport!」「Very important!」などと叫んではみたものの検査官は無反応。口早な英語で話しかけられても、単語が聞き取れずにちんぷんかんぷん?!…。
 二度あることは三度ある。最後は、ニュージーランド出国手続きの時です。顔写真のスキャニングも、リュックなどの手荷物や預け荷物のレントゲンチェックも身体チェックも警告音も鳴らずに、すべて何事もなく無事に通過しました。ホッとしてガッツポーズ、皆さんに合流しようと歩き始めたその瞬間、男性の怖そうな(笑)検査官に肩をつかまれ、背負ったリュックを机に置くようにとのジェスチャー指示が…。「???」一瞬固まりました。気を取り直してリュックを渡すと、アルコールの匂いのするティッシュペーパーのようなもので消毒(清掃?)をしてくれながら、外側を触ったり、リュックの中の物を少し見たりして、ニコッと笑って「Thank you~」と言うではないですか! 「???」また固まりましたが、渡してくれたので、体よく受け取ってジャパニーズスマイルで切り抜け、待ってくれている皆さんのもとへ。なんと、抜き打ちチェックだったようです! でも、なぜに私だけが…。トホホ。きっと挙動不審に見られたんでしょうね。こんなに真面目な壮年紳士なのに(笑)。

 このたびの海外教育視察旅行では、株式会社内田洋行の大久保昇社長様、教育ウチダ会会長で株式会社有隣堂の松信裕会長様はじめ、内田洋行の幹部スタッフの方々に大変お世話になりましたし、素晴らしい出逢いがたくさんありました。密度の濃い「とき」と「ま」の充実した5日間となりました。高度1万mの雲海から見た真っ赤な朝焼けや夕焼け、そして、オークランドシティのWaterfrontにあるレストランから見た夜景、船舶越しに浮かぶお月様、香りコクともに素敵なワインや豪華な食事は一生忘れられないものとなりました。心から御礼申し上げますとともに、今後ともご指導の程よろしくお願い申し上げます。また、快く視察に送り出してくださった社員皆様に心から感謝しております。<令和6年12月25日 NO.19>

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