社長ブログ

うれしいニュース  ~ 教育学部復活・再興へ ~

2025.02.03

 暦では立春を迎えたとは言え、まだまだ寒い日が続きそうです。
 さて、先月初めに、地元の教育振興に関わりうれしいニュースがありました。
 以前、「21/41への大きな期待」というタイトルで、地元山形大学における地域教員希望枠を活用した教員養成大学・学部の機能強化事業について触れましたが、このたびは、その根幹に関わる「教育学部復活・再興」のニュースです。

 山形大学の沿革を調べてみると、昭和24年(1949年)5月に、山形高等学校・山形師範学校・山形青年師範学校・米沢工業専門学校・山形県立農林専門学校を母体として、文理学部・教育学部・工学部・農学部の4学部を有する新制国立大学として開学し現在に至ります。平成 5年(1993)4月には、大学院教育学研究科(修士課程)が設置され、より複雑で多岐にわたる教育課題解決の道が開けます。
 平成16年(2004)には、前年に制定された国立大学法人法により、国立大学法人山形大学に移行し、翌年の17年(2005)4月には教育学部の改組となり、地域教育文化学部が設置されました。事実上の教育学部解体でありました。いわゆる「ゼロ免コース」が開設され、教員免許取得が必須から外れました。もしかすると、この頃からすでに現在の教員不足を象徴する流れが始まってしまっていたのかもしれません。平成21年(2009)には、大学院教育学研究科の改組により、「教職大学院」である大学院教育実践研究科と大学院地域教育文化研究科が設置されました。

 昨年秋(10月下旬)に、教員養成課程の再構築を模索する山形大学が「教育学部再構想」を公表したのは、記憶に新しいところです。今年になり先月初めには、玉手英利学長による2026年4月に設置予定の「教育学部」は教員養成課程に特化する旨の記者会見発表がありました。最終的には文部科学省の認可を待つことにはなるのでしょうが、教員不足やより質の高い教育のための教員養成に特化したいという願いは尊く、その思いは確実に届くのではないでしょうか。教育に関心を持つ多くの人々にとってとても喜ばしい出来事ですし、うれしいニュースです。と同時に、それをより深く理解し支援してゆく体制や姿勢、支援も望まれます。

 教育学部が復活・再興することで、地元の高校生や大学生にとって、教育の現場をより身近に感じ、より深く学べる機会が増えることが期待されます。また、学生は、より実践的なカリキュラムの提供によって、実習やインターンシップを通じて地域に根ざした教育の経験を積むことができるでしょう。また、時代の変化に対応した教育方法や、ICTを活用した授業運営、さらには多様な子どもたちに対応できるスキルを身につけることが可能となり、子どもたち一人ひとりに寄り添った指導ができる教員が育成されることでしょう。さらには、現場の教員の研修や専門性の向上にも大きく機能してゆくことでしょう。
 また、報道によれば、地域の教育環境改善のみならず若者の地元定着促進においても大いに期待されています。地域の教育環境を整えることで、若者たちが地元に留まり、地域社会の発展に貢献できる可能性が広がるということです。

 地域の未来を担う子どもたちが、教育の現場で輝くことができるよう、大学と地域が一丸となって支えていくことが何より大切なことだと思います。教育学部が再び山形に戻ることで、地域の教育力が一層向上することを願っています。そして、新しい時代の教育者たちが、地域社会に貢献し、子どもたちの未来を明るく照らすことを期待するとともに、教育学部の成長を見守り、応援していきたいと思います。<令和7年2月3日 NO.22>

社長ブログ 一覧 »