先端を行く「ICT」教育環境づくり ~ 教育ウチダ会と古代DNA特別展 ~
2025.05.01
先月の中旬、東京に出張に行って参りました。
教育ウチダ会東日本地区総会への出席です。東日本だけで300社をこえる団体が名を連ねています。六本木にあるグランドハイアット東京を会場としたスケールの大きな会議です。東京は、春らしい陽気で、桜(ソメイヨシノ)の花はほぼ散っておりましたが、時折見るハナミズキや遅咲きの桜に癒やされました。
教育ウチダ会は、昨年発足60周年を迎え、今年は61年目。人間で言えば円熟の還暦を過ぎ、新たな一歩の年です。株式会社内田洋行の大久保昇社長様のご挨拶にもありましたが、「人材育成は官民共通のテーマ」であり、学校教育はその土台として重要な位置を占めます。そのような中で、今年も拝受の栄に浴しました。70年前から教育環境の支援を続けてきた弊社としても身の引き締まる思いです。夕刻からの懇親会では、またたくさんの素晴らしい出逢いがありました。海外教育視察でお世話になった内田洋行の役員皆様始め、仙台や千葉、横浜の企業の社長さんや地元山形県の米沢や白鷹の社長さんらと談笑することが出来ました。心から感謝申し上げます。
ホテル会場には、たくさんのパネルやポスターが展示されていました。
特に目を引いたのは、6月5日~7日までTFT(東京ファッションタウンビル)で開催される「NEW EDUCATION EXPO 2025」のPRポスターです。このEXPOのテーマは「学びの未来を、共に拓く」で、6月13日~14日には大阪でも開催されます。
総計100以上のセミナーと100社を超える企業展示が行われます。基調講演は、第12期中央教育審議会会長の荒瀬克己氏や前広島県教育長の平川理恵氏、東北大学総長の冨永悌二氏、東京学芸大学教職大学院教授の堀田龍也氏・・・等々、各界の著名人の名が並びます。また、ロボット工学の第一人者である大阪大学大学院基礎工学研究科教授の石黒浩氏が特別講演を行う予定で、ICTを駆使した「サテライト会場」も札幌、仙台、名古屋、福岡にあり、全国展開を視野に準備が進められています。後援は文部科学省・総務省・経済産業省・国立政策研究所・国立研究開発法人科学技術振興機構・全国ICT教育首長協議会など多数。特別協賛に株式会社内田洋行・富士通株式会社・インテル株式会社・日本マイクロソフト株式会社、協賛は教育関連企業約100社です。
この魅力的なEXPOに是非参加し、リスキリングできたらなあと思っています。
翌日は、少し時間がありましたので、予てより訪れてみたかった「古代DNA特別展」を楽しみに、上野公園まで足を運びました。清々しい公園内は半袖シャツで十分なくらいの陽気です。お目当ての国立科学博物館前は長蛇の列。3月15日から始まった特別展ですが、NHKの「サイエンスZERO」で取り上げられたこともあり、人気のある特別展です。
日本人のきた道を探る壮大なロマン。最新のDNA解析技術を駆使して日本人の起源や進化の過程を解き明かす、極めて学術的かつ魅力的な展示でした。本展では、遺跡から発掘された古代人の骨に残る微量なDNAを解析し、人類の移動や集団形成の歴史を紐解く試みが紹介されています。特に注目すべきは、次世代シークエンサー(NGS)の登場により、古代人の核DNA解析が可能になった点です。この解析により、古代人の髪や目、肌の色、さらには疾患の傾向まで推測できるようになったのは驚きと感動でありました。
また、NHKの8K技術を活用した超高精細CG映像による古代人の復元は、視覚的にも非常にインパクトがあり、学術的な知識を一般の来場者にも分かりやすく伝える工夫がなされており、単なる遺骨の展示ではなく、古代人の生活や社会構造をリアルに感じ取ることができ、素晴らしかったです。
先端を行くICT技術や解析技術。そして、考古学や歴史学との学際的な融合によって解き明かされる未知の領域。知的好奇心をくすぐるワクワク感を感じた貴重な時間となりました。科学技術の進歩が、歴史の解明にどれほど貢献できるのかを実感できる展示で、学問の素晴らしさを改めて認識させられる内容でありました。このような研究が今後さらに進展し、より多くの謎が解明されることを期待したいと思いながら、東京をあとにしました。<令和7年5月1日 NO.28>