5年に一度の・・・ ~ 国勢調査100年の歩みからみえる社会のかたち ~
2025.09.24
♪・・・インターネット回答でかんたん便利に!・・・♫
最近、川口春奈さんや松平健さんのCMを頻繁に見かけます。国勢調査のCMです。
今年は、5年に一度の国勢調査の年です。
日本に住むすべての人と世帯を対象に行われるこの調査は、1920年(大正9年)に始まり、今年(2025年)で第22回目を迎えます。国勢調査は、単なる人口調査ではなく、私たちの暮らしや社会のあり方を映し出す鏡のような存在です。
国勢調査は、近代国家としての日本が、国民の実態を正確に把握する必要性から始まりました。明治時代には戸籍簿や寄留簿による人口統計が存在していましたが、急速な都市化や人口移動により、実態との乖離が問題となっていました。そこで、より正確な人口と世帯の情報を得るために、大正時代に国勢調査が導入されたといいます。
調査の主旨は、「国内に住むすべての人と世帯の実態を把握し、行政施策や社会政策の基礎資料を得ること」にあります。調査項目は、年齢、性別、職業、就業状態、世帯構成など多岐にわたり、私たちの生活の多様な側面を網羅しています。調査の結果は、さまざまな場面で活用されているといいます。例を挙げると、
○地方交付税の配分や衆議院選挙区の画定など、法定人口に基づく行政判断
○民間企業による市場分析や出店戦略の立案
○大学や研究機関による社会・経済の動向分析
○労働力調査や家計調査などの標本設計の基礎データ
○将来推計人口や生命表などの加工統計の作成
などで、行政だけでなく、民間や学術分野においても広く活用されており、社会の意思決定に欠かせない情報源となっています。
「国勢調査は本当に必要なの?」
確かに、インターネットやビッグデータが普及した現代において、情報収集の手段は多様化しています。しかし、国勢調査の強みは「全数調査」であることです。標本ではなく、全国民を対象にした調査であるため、偏りのない正確なデータが得られるわけです。また、調査結果は法的根拠に基づいて行政に反映されるため、信頼性が高く、政策の公平性を担保する役割も果たしています。国際的にも、国勢調査は国連の「世界人口・住宅センサス計画」に基づいて実施されており、国際比較の基礎データとしても重要な役割を果たしているといいます。下支えしているのは、調査員の方々の地道な努力です。調査員は、地域ごとに割り当てられた世帯を訪問し、調査票の配布や回収を行います。近年はオンライン回答が普及していますが、高齢者世帯やインターネット環境が整っていない家庭では、対面での対応が必要です。「玄関先で何度も説明してようやく理解してもらえた」「留守が多くて何度も足を運んだ」といった苦労もあるようです。
諸外国でも国勢調査は行われていますが、その方法や頻度は国によって異なります。例えば、アメリカでは10年に一度の調査が行われ、オンライン回答や郵送による提出が主流です。イギリスでは、調査項目が比較的少なく、簡素化されているようです。
私たちの暮らしを支える「見えないインフラ」とも言える国勢調査。その歴史は100年を超え、社会の変化とともに進化してきました。調査員の方々の努力と、私たち一人ひとりの協力によって成り立つこの調査は、未来の社会づくりに欠かせないものです。今年の国勢調査も、ぜひ積極的に参加し、私たちの声を社会に届けたいものです。<令和7年9月24日 NO.37>