卒業式に行って来ました
2008.03.26
前に勤めた学校の卒業式に行って来ました。見事に晴れて、暖かい、絶好の卒業式日和。このごろ、年のせいでめっきり涙もろくなり、まずこの好天に、校長先生はどんなにうれしいことかと、目頭が熱くなりました。
今年の卒業生は、私が赴任した年に入学した子どもたちです。私も一緒に入学したことになります。そのことはとても大きなことで、卒業証書をいただく子ども一人一人の1年生の頃が浮かび、それだけで涙が出てきます。あの時のあの子がとか、まったく話すことができなかったあの子がとか、もう涙、涙です。困ったものです。
この学年が6年の総合学習で、「カンボジアを助けたい」という活動を展開しました。カンボジアに行った中学生からの話や、カンボジアの写真から受けた衝撃を語り合い、子どもながらに何かしたい、カンボジアの子どもたちを助けたいという気持ちになったのでした。できることから始めようと、募金活動と、ベルマーク集めに取りかかりました。
「欽ちゃんの仮装大賞」で優勝すれば200万円もらえると、それに挑戦して、みごと、2次予選までは通過しました。カンボジアについて学んだことの発表と、資金を集めるためのフリーマーケットを行うフェスタを、七日町で行いました。そして、なんと、17万円も集め、寄付したのでした。
卒業式の中で、校長先生の励ましの言葉に、来賓の祝辞に、そして卒業生の呼びかけにも、人のために、あきらめずに、今できることを、仲間と力を合わせて取り組んだ姿が語られていました。式場は、すがすがしさと感動でいっぱい。私はまた涙したのでありました。
そのような、最後までなげださずになにかに取り組んだ子どもたちの卒業式が、山形県のたくさんの学校で行われて、子どもたちは巣立っていきました。
子どもたちのりりしい姿を見ながら、鎌田實さんの本『なげださない』(集英社)の「あとがきにかえて」の一節を思い出しました。
この国の最高責任者が、この国をなげだしても、ぼくたちは、なげださない。
防衛省の偉い人が、ゴルフをしたいためにこの国をなげだしても
ぼくたちはこの国が好きだから、この国をなげださない。
なげだしてはいけないものがいっぱいある。
家族も友達もなげださない。とても大切なものだから。
現実の世界だけで生きていくのは寂しいから、夢や希望や志をなげださない。
子どもたちが安心して生きられるように、この国をなげださない。
教育をなげださない。
いのち、環境、平和をなげださない。
かけがえのないものをなげださない。
「なげださない」子どもたちが着実に育っている山形の未来は、明るい!