雪とけて 村いっぱいの 子どもかな
2008.04.04
「県教育の独自性出そう」
新学習指導要領が告示された次の日、3月29日、山形新聞社説の見出しです。「学校現場への影響は考えたのだろうか。改正案公表からわずか一ヶ月での修正」で始まり、告示間際のどさくさに紛れての修正を、厳しく指摘しています。
新学習指導要領は2月15日に案として公表されました。案に対して公に意見を求めたところ、それをパブリックコメントというのだそうですが、寄せられた意見は5,679件だったそうです。そのうちの94件について、意見とそれに対する回答が示されています。
その94の中に、確かにありました。山新社説が取り上げている、「我が国と郷土を愛し」との文言を加えること、君が代を「歌えるよう指導する」こと、という修正がありました。ほかに、たとえば、移行措置、30人以下学級の実現、図書館の充実、学校5日制、大学入試の改革、総合的な学習などについて意見と回答がありました。
この修正について、渡海紀三朗文部科学相は、「総則に(愛国心を)書いた方が教育基本法改正の趣旨が生きるとの意見があったので(修正を)判断した」「バランスを欠く意見は排除したつもり」と述べたそうです(毎日新聞)。パブリックコメントに対する意見と回答、これは文部科学省のHPにありますが、その回答そのものが「バランスを欠いている」ように思うのは私だけでしょうか。
山新社説では、「新指導要領を丸のみして、そのまま現場におろすのでは、教育の軽視だ」といっています。「指導要領の押しつけでは、子どもたちときちんと向き合えない。何を教えて、何を引き出すのか。本県独自の教育行政が強く求められる」として、第五次山形県教育振興計画の目標、「知徳体が調和し、『いのち』輝く人間の育成」、や「やまがた教育『C』改革」に期待をよせています。
さすが山形新聞です。そうなのです。学習指導要領が、どう修正されようとも、我が山形県の教育は、少しもゆるがないのです。もうすぐ入学式。学校では、新しい子どもたちを迎える準備とともに、新しい、平成20年度の教育活動の計画、準備に余念がありません。今年度一年間、ともにすごす子どもたちを思いながら、胸をどきどきさせて。山形の先生方はみんな、そうなのです。
子どもたちと出会う日がもうすぐやってきます。一人一人の子どもとのきちんとした向き合いの中で、教えること、引き出すことを判断した教育活動が展開されていくことでしょう。学校は、また、子どもたちの笑顔と元気な声でいっぱいです。
雪とけて 村いっぱいの 子どもかな 一茶