社長ブログ

久しぶりにのんびりと

2008.05.20

久しぶりにのんびりと過ごす土曜日。庭の草取りなんかをしていたら、イトトンボが飛んできました。ずっと以前から、このあたりに毎年飛んでくるクロイトトンボです。といっても、毎年同じクロイトトンボが飛んでくるはずはありませんから、どこかこのあたりで毎年発生するところがあるのでしょう。
イトトンボは、見るからにきゃしゃな体で、つうい、つういと飛んではとまり、飛んではとまりをしています。それだからでしょうか、私には、かわいいというイメージがしっかりと定着していたのです。
オニヤンマなんか見てみなさい。あの大顎ときたら、指なんか食いちぎりそうです。あのくるくる回る大きな目玉にしても、潜水艦の潜望鏡のようで、どんな敵でも餌でも見逃さないという風体です。
そのイトトンボが、よく見ると口に何かをくわえているのです。それは彼の頭より大きなガガンボでした。それとばかり家に飛び込んでカメラを手に取ると、「ガガンボを食べるクロイトトンボ」の撮影会を始めました。
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ガガンボはこの時期、庭のあちこちをふわふわと飛び回っています。ガガンボもなにか食べて栄養はつけているのでしょうが、どうにも力が入らないような飛び方ですから、こんな小さなイトトンボにも捕まってしまうのです。
このイトトンボ、よほどお腹が減っていたのでしょうか、すごい勢いで食べ始めました。ガガンボの長い羽や足に苦労しながらも、瞬く間に胴体は飲み込んでしまいました。500ミリの望遠をマクロにして覗いていると、かわいいはずのイトトンボの顔はオニヤンマと同じでした。
もう30年以上も前になるでしょうか、写真家の柴田文夫さんに、今神御池(いまがみおいけ)に連れて行ってもらいました。今神温泉から山道を登り、急に開けた御池。うっそうとした森の中、しんと静まりかえる池、深い緑の水面は鏡のようでした。ほとんど日の光も差し込まない、風も流れない、そんな鏡の水面を、何かが飛んでいました。
あざやかなコバルトブルーのイトトンボが、私たちのまわりをたくさん飛びまわっていたのでした。ちょうど産卵期だったのでしょう、中には2匹つながったものもいます。その中に、なんとハート型の2匹がいました。
オスはメスの首筋をしっぽの先でぎゅっとはさみます。メスは腹部をくるりと曲げて、その先をオスの腹部にしっかりつなぎます。それがルリイトトンボの交尾だったのです。即座に、「ハートをつくるルリイトトンボ」撮影会が行われたのでした。
今神御池では、今日も、ルリイトトンボがハートをつくっているのでしょうね。

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