社長ブログ

本物はうまい!

2008.06.13

出勤の車中、ラジオを聴いています。武田鉄矢の「今朝の三枚おろし」。今週のまな板の上は「発酵道」でした。もうおもしろくて、すぐその本、寺田啓佐著『発酵道』(河出書房新社)を取り寄せました。
寺田啓佐さんは、25歳の時、酒造りの寺田本家に婿入りし、23代目の当主となりました。そのころ寺田酒造は、添加物いっぱいの日本酒造りをしていたそうです。自分自身の病気の体験から、何か大切なものを見落としているのではないかと考え、本格的に酒造りの勉強を始めました。
いろいろ調べているうちに、微生物の働きに気づき、微生物は互いに支え合って生きており、その働きによって発酵が始まりお酒が出来ることが分かりました。そして、自然の摂理に従った、生命力のある命の宿った酒造りをしようと考えました。
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研究に研究を重ねできあがったお酒が「五人娘」です。山形県新庄産の無農薬米を使い、いっさいの添加物を使わない生(き)もと造りをはじめ、微生物たちの働きを助けるような酒造りの結果、昔ながらの“百薬の長”たるお酒ができました。
そうまで言われると飲みたくなるもので、早速取り寄せて飲んでみました。まさに、うまい! その上に、体によいということで、これは毎日飲まなければ。
お酒の宣伝に努めているのではありません。大事なところはこれから。寺田さんは言います。「生命(いのち)の視点でお酒づくりをしたいとずっと考えてきました。(そうしたら)いつのまにか昔ながらのお酒造りに帰っていました」
そうなのです。昔の造り方で造った酒がいいのだそうです。戦争時代、酒造りどころではなく、発酵して造った酒を水で3倍に薄め、アルコール濃度を高くするために醸造アルコールを入れ、風味がないので、糖類や化学調味料などを添加していたそうです。それが今も続いているのです。
食の安全が叫ばれる今、知らなかったなあ、日本酒の80%近くが醸造アルコールやいろいろな物を添加しているなんて。ドイツでは、「麦芽」、「ホップ」、「水」以外の何かが入っていると、それは「ビール」だとは認められないというのに。
そういえば、ドイツのビールはうまかったなあ。ワインもうまかったなあ。本物はうまいのだなあ。ところで、寺田啓佐さん、「お酒も変わり続け『熟成』することで美味しくなっていく。変わらなければ腐ってしまう」と書いています。いい言葉です。このお話、「つづく」ということで、もう少し考えてみたいと思います。

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