社長ブログ

「人事は愛」と「だめなものはだめ」

2008.07.11

今、大分県の教育が大変なようです。教員採用や管理職登用における不祥事のようです。弁明の余地がありません。真実を明らかにし、一日も早く信頼回復がなされることを祈ります。それにしても、まじめに仕事をしている大方の先生方、かわいそうです。
私も人事行政に携わりました。そのスタートの時に、人事の神様といわれた先輩から、こう言われました。「人事は愛だ」。
「何よりも、子どもたちへの愛から人事は始まる。子どもたちを考えて、この先生を採用していいのか判断する。子どもたちのことを考えて、この人が教頭でよいのか、この人が校長にふさわしいのか、あらゆる角度から考える」
「次は、先生方への愛だ。その先生が子どもたちにいい仕事をするために、その学校にとどめるべきか、異動させるべきか考える。異動するとすれば、その先生にとってもっともいい仕事ができるのはどこか、先生をあらゆる角度から考える。それが、人事だ」
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あるとき、人事案が固まりかけたとき、先輩は、「どれ、ちょっとドライブに行こう」といいました。なにをのんきなことをと思いましたが、先輩を乗せて運転開始。「A先生の家に行ってみよう」といいます。家の前につくと、「トリップメーターを0にして」。
異動予定の学校に着いて、距離をメモします。遠距離通勤になる異動候補者の通勤距離を調べるのでした。「人事は愛」とはこういうことだと、身をもって教えてくれたのでした。その距離を、毎朝、そして勤務を終えて、車を走らせるA先生が見えてきたのでした。
「だめなものはだめとはっきり言う」、この言葉も、強烈に教えられました。人事の神様にも、また人事の神様がいて、先輩はあるとき、先輩の先輩に、こっぴどく叱られたそうです。
何か要望をきく電話の最中でした。とつぜん後ろの課長席から大声が飛んできて、「電話を置いてすぐ来い!」。課長の机の前にかけつけると、「だめなものはだめだ。だめなものをだめだとはっきり言えないのはクビだ!」
教員人事は、国、県の予算の枠内できっちり決まっています。なにか要望があっても、あちらをたてればどこかを削らなければならなくなります。要望に期待を持たせるような発言は極めて危険なのです。だめなものはだめなのです。
「人事は愛」と「だめなものはだめ」は、いつも私の頭の中を駆け回っていました。今も、山形では、「人事は愛」であり、「だめなものはだめ」なのです。

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