社長ブログ

全国学力調査結果が公表

2008.09.08

全国学力調査の第2回目の調査結果が公表されました。1週間過ぎてしまいましたが、なんか、去年ほど盛り上がらないなあ、さびしいなあ。やっぱり、「政権投げだし」にはかなわないのかなあ。
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一番大きな反応は、「もういらない」というもののようです。8月30日の山形新聞の見出しにも、「学力テスト文科省は継続にこだわるが… 早くも無用論」「改善押しつけ現場に疲弊感 税金無駄の声も」というものがありました。
9月1日付け山形新聞社説には、「同じことを繰り返しては時間、費用、労力の無駄」「実施には今年も58億円」「子どもたちは貴重な授業時間を割いた」「自民党内からも、サンプル調査でいいとの声、税金の無駄遣い論、無用論すら出ている」
昨年度の調査結果の発表後、文部科学省は、各都道府県に、「学校改善支援プラン」を作成することを求めました。その報告を得て、その取組を「審査」し、その優れたもの26件を「採択」し、今年3月、「都心のホテルで」「成果報告会」を開催しました。
「審査の結果優れたもの」として上げられたいくつかを文科省サイトから拾ってみました。学力向上プランの作成、活用型ワークシートの開発、学力向上セミナーの開催、文部科学省学力調査官の講演、家庭学習推進計画の作成、学力向上サポーターの配置、「確かな学力」を育成するための実践研究の実施など。
8月30日の山形新聞のとおり、「模範的取組の報告は3時間以上。ただ多くの現場で実践されている内容も多く、居眠りする姿も目立った」。こんな内容を、3時間も聞かされたのでは、それは眠くもなるだろうなあ。
問題の難易度も問題になりました。文科省は「難易度を上げたことで正答率の低下を予測していた」そうです。本当に難易度は上がったのでしょうか。それとも、子どもの学力が下がったのでしょうか。
小学校のB問題で考えてみれば、5月2日のブログにも書いたのですが、残念ながら、そのどちらでもありません。問題の質が変わったのです。B問題を「活用」と言っていますが、その「活用」とは何かの考え方が、教科により違うのです。
国語は、5月2日に述べたように、去年の方がよりPISA型でした。全国平均正答率は62.0、山形県は64.0でした。今年はよりA問題に近くなり、全国50.7、山形県は52.0でした。
算数は逆に、去年の問題がA問題に近く、全国平均正答率は63.6、山形県も63.6でした。今年はよりPISA型に近く、全国51.8、山形県は51.2でした。
B問題についてはまだ揺れ動いており、調査結果を比較検討する資料には使えません。揺れ動く調査問題では、授業改善の手がかりにもなりません。山形県の算数Bは全国平均より低いなどと悲観する必要はありません。これまでどおり、着実に。一歩ずつ。

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