社長ブログ

八勿の訓戒

2008.09.17

また、食の偽装。それが、どうもよく分かりません。まず、「事故米」と呼ばれるものを輸入するということが分かりません。「事故米」が販売されるということが、分かりません。「事故米」が「食」に用いられたことが分かりません。
分からない人がたくさんいるのでしょうね。10日の山形新聞には、ていねいなQ&Aがありました。米が余って減反までしている日本が、なぜ米を輸入しているのか。これは、「関税及び貿易に関する一般協定(ガット)」(1993年)に合意したからだそうです。
「事故米」とは、輸入するときカビが生えたり、水にぬれたりしていたんだ米、残留基準を超える農薬などに汚染された米だそうです。協定により輸入しているのですから、「事故米」を輸入しているのは政府です。
その政府が、「事故米」と分かっていて業者に販売しています。それが分かりません。三笠フーズは、農水省の課長を接待してまで「事故米」を食として販売していました。新潟の島田化学工業では「新潟農政事務所から頼まれて…」と言っています。
「事故米」を買い取った業者は、他の業者に転売します。それを繰り返している間に、「工業用のり」に限定されていた利用が、変えられていきました。それが、食用まで、病院などの給食用にまで使われたというのですから、あきれてしまいます。
『「工業用糊に限り販売」 農水省の説明は大ウソだった』という記事(J-CAST)まで出てきました。工業用糊に、普通米は使わない、米を原料とした糊など聞いたこともないという業界のコメントだそうです。
輸入する米の値段は、1キロ70円~180円。「事故米」は1キロ10円以下で売るのだそうです。どうして、そんなに損をしてまで、事故米を輸入するのでしょうか。
なんか、もう、全く訳が分からなくなりました。「じたばた」の太田農水相が「輸入米から残留農薬などで汚染された米が出た場合、輸入国に返品することや廃棄することも含め、これを流通させないようにする」と。そんなこと、当たり前だろう! と思うのですが。
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三笠フーズは、事故米を1キロ3円で仕入れ、偽装して70円で販売したそうです。社長いわく、「経営が苦しくて」。ころころ変わる農水相や金儲けしか頭にない企業のトップ。日本の農業、米作りはどうなるのでしょうね。
天保年間、田原藩の用人真木重郎兵衛が大阪に行き、大阪御用商人と折衝するにあたり、家老の渡辺崋山は、真木に「八勿の訓戒」を与えました。その1つ目に、「面語の情に常を忘する勿れ」(人と話をするときは平静であって、調子にのって無責任なことを言ってはならぬ)があります。
2つ目には、「眼前の繰廻しに百年の計を忘する勿れ」とあります。そして、7つ目に、「人を欺んとする者は人に欺むかる不欺は即ち不欺己といふ事を忘する勿れ」があります。

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