社長ブログ

南部片富士 その2

2008.12.05

リハーサルのその日、泊まったところは、鶯宿温泉でした。南部片富士は夕闇にかくれ、湯けむりが高く吹き上がっていました。140人そろっての会食は壮観でしたが、明日の演奏をまえにしての緊張でしょうか、1時間ほどで終わりました。
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明けていよいよ演奏会の朝。日の出前のうす暗い中、東の空が赤く燃えはじめ、山々が浮かび上がってきました。その中に片富士。西のも裾をますますなだらかに引きながら、その姿を現しました。山頂近くの雪化粧が薄紫に輝いています。
折しもその時刻、衣桁に掛けた着物に袖を通し、きりりと帯を締め上げて、それこそ南部片富士のように入念な雪化粧。できあがって鏡にむかい、朝焼けに染まる南部片富士を横目に見て、「よーし、やるぞ、見事な演奏!」。会員のみなさまの、そんな様子を想像しました。
ホテルの朝食もそこそこに、いざ会場に。なんと、出だしの第1景が山形のステージ。一糸乱れぬ邦楽『越後獅子』の演奏に続いて、次の曲へ。着物姿の全員が、動きをそろえてその場で襷掛け。掛け終わって威勢よく、『千恵っ子よされ』が始まりました。
鳴りやまぬ拍手を背に、40人の会員は紅潮した顔でステージを降りました。仲間が拍手で出迎え、やっと安堵の顔。その顔が、しだいに充実感で満たされていくのが分かりました。舞台に立つ緊張感と演奏を成し遂げた満足感、だから大正琴は止めらないのですね。
今年の東北大会は全36景。第21景はゲスト特別舞台、山崎バニラさんの楽しいお話と、無声映画『のらくろ伍長』の「大正琴弾き語り活弁」でした。金髪、和服、あの声と、自由自在に大正琴を弾きまくって活弁、そのおもしろさに酔いしれました。
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山形愛好会の4つのグループは、それぞれ見事な演奏でステージを終え、最後の36景、盛岡支部の演奏を聴いて、県民会館を後にしました。盛岡を16時30分、夕方はやはり車が多いなあ。夕闇の中、南部片富士が、雲をいただいて見送ってくれました。
前沢SAで一休み。「休憩時間は10分」というガイドさんの声に、「そんなので足りない!」という声。そうなのです、そんな時間では、トイレに行けても、買い物の時間がないじゃないか。おみやげはまだまだ足りない。みなさん、元気いっぱい、バスから降りていきました。
前沢SAを18時に出発。山形に着いたのは19時30分。これから山形市内であちこち停まって、上山、南陽、米沢につくのは、21時を過ぎるなあ。みなさん、本当にお疲れさまでした。来年も、東北大会、いきましょうね。

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