社長ブログ

心が通じる

2014.02.19

先日、大学の先生の研究室にお邪魔してきました。ふと目をやった研究机の上には、大事そうに置かれた写真。穏やかな表情のワンくんとネコちゃんが並んでこっちを向いています。すでに両名とも天寿を全うしたとのこと。仕事の話を中断して、ワンニャン談義になりました。
享年推定10歳のワンくんは、ノラ出身。先生のご自宅近くに出没していたそうです。近所に保育園もあり、保健所関係の収容車出動依頼も出されていたとのこと。先生は自宅の用心棒にしようと考え、餌付けを試みたそうです。その筋から自動扉付きの檻を借り、肉だのソーセージだので身柄確保を試みること何十日。しかし、上手にご馳走をいただいて忍び足で去るために、自動扉は反応なし。しばらくして、ようやく家屋近くで美味いものを食べるようになったけれど、人が近寄ると警戒してすぐに逃げ去る毎日。
およそ300日が経過したある日のこと。ふと見ると、玄関の中に入っておすわりをしていたワンくん。ぶるぶる震えながらも、先生が手にした首輪をおとなしくかけてもらったとのこと。先生とワンくんが親子の契りを結んだ感動的な日。以来約7年間、家族の一員として、同じノラ出身のネコちゃんと仲良く暮らしたそうです。ただし、とっても人好きに育ち、よそ様が来宅しても全く発声しないので、用心棒の役目はからっきし果たさなかったそうです。
人と動物は、言葉を交わさなくても心は通じるようです。一方で、人同士は不可思議です。言葉によって、かえって気持ちが離れてしまったり、心に傷を負ったり負わせたりしてしまいます。大人も子どもも。
q-u.jpgテレビのニュースで『Q?U』が紹介されていました。教育委員会が予算化をし、全ての小中学校で実施している市町村が増えているようです。この『Q?U』を開発された河村茂雄先生が、以前に述べていらっしゃいます。
「教師の日常観察と経験に基づく勘には限界がある。その限界を補う方法を駆使して実践をすることが教育の専門家として必要だ。医師が治療をする前に、検査をするのと同じだ。『Q?U』の活用は、より的確なアセスメントに基づいて教育実践しようという主張が込められている」
そういう要旨です。子ども達の心を深く理解して支援・指導しようと奮闘されている学校の先生方。『Q?U』を活用されて、実践の質をさらに高めようと努力されているんだな、とニュースを見ながら思いました。
ところで、訪問した大学の先生とは、ワンくん・ネコちゃんのお陰で心が通じ(?)、仕事の話は円滑にできました。(平26.2.19)

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