社長ブログ

読書を通して、子ども達に「生きる力」を

2016.04.18

穀雨かな 世の一隅に 安らぎて (松本文子)
二十四節気の一つ「穀雨」の頃となりました。田んぼや畑の耕作準備が整い、それに合わせるように、柔らかな春の雨が降る頃とされ、この頃より変りやすい春の天気も安定し日差しも強まる季節になるそうです。
011%20%28220x161%29.jpg自宅から西に5分も歩くと、一面の田んぼが広がります。圃場整備が進んで、直線で区切った形のよい田んぼが遠くまで続いています。同じ長方形の形をした田んぼですが、夕暮れ時に歩くとなぜか日本の原風景を感じるような懐かしさを覚えます。
そんな田んぼも、まもなく田おこし、代かきが始まります。一雨降れば、まさに「穀雨」そのものです。子ども達にも、季節の移り変わりを通して伝えていきたい言葉の一つです。
さて、会社では春の商戦も一段落し、学校図書館用図書を紹介する「山形県学校図書展示会」の準備に入っています。県内5会場で開催される展示会は、今年で46回を数えます。まさに、当社の歴史と伝統を感じさせる事業です。
各会場、子ども達に読ませたい本やアクティブ・ラーニングに活用できる本、また、先生方の指導にお役に立つ本など、約一万冊の図書を厳選して展示します。さらに「YBC本の森たんけん」や「全国青少年読書感想文全国コンクール」の課題図書も展示します。
実際に本を手にとって読んでみることは、極めて大事なことだと思います。本の大きさや文字の大きさ、色使い、紙の質など、すべて手にとってみなければ実感できるものではありません。それは、子ども達が実際に読む場面の指導に大きく影響します。
子ども達の読書傾向についての調査「学校読書調査」が、毎年、全国学校図書館協議会と毎日新聞社共同で実施されます。昨年度で61回を数える調査結果を見ると、意外に読書離れは進んでいないことが分かります。小中学生だけ見ると、一ヶ月の平均読書冊数は多少の増減はあるものの増加傾向にあります。問題は、一ヶ月間、一冊の本も読まなかった「不読者」の存在です。中学生は減少したものの、小学生、高校生は増加しています。高校生にいたっては、実に52%が一冊も読まない不読者です(文化庁の「国語に関する世論調査」によると、大人も同じような数字ですが…)。
007%20%28220x165%29.jpg今、本を読む子と読まない子の二極化が進んでいると言われます。「読書格差」という言葉もあります。これから自分の人生を切り拓く子ども達が生き方を学ぶ場は、家庭、学校、地域社会であることはもちろんですが、読書を通して「生きる力」を育むことも多いと思います。
わたしたち山形教育用品は、自分を見つめる、人や自然、社会とのかかわりを学ぶ、生きていくうえで大切なことを感じるといった、人が生きていくうえで大切にしなければならないことを、読書を通して学んで欲しいと願っています。
「山形県学校図書展示会」は、そのお役に立てる事業であると思います。ぜひ、学校の先生方のみならず、お父さんお母さん、おじいちゃんおばあちゃんの来場をお待ちしています。ぜひ、いらしてください。
(2016.4.18)

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