グルメリポートに一言申し上げたい
2017.09.28
のびやかに 絹曇かかる 秋彼岸 (金子つとむ)
秋の風に「金風(きんぷう)」という言葉があります。黄金色の稲穂をそよそよとゆらす風を表現してつけられた美しい言葉です。
実りの秋となりました。ここ山形では朝方の気温もぐっと低くなりました。昨日今日の最低気温は13、14℃ほどです。空を見てもすっかり秋模様です。昔から雲を見るのが好きで、特に秋の空の魅力に惹かれて、小一時間、空を見上げていることもあります。
正岡子規は、「春雲は綿の如く、夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く、冬雲は鉛の如し」と言っています。すばらしい観察力、表現力、そして見事なまでの簡潔さです。
みなさんもそうでしょうが、秋の雲が一番魅力的です。「羊雲」「いわし雲」「さば雲」「うろこ雲」「すじ雲」「かすみ雲」等々。秋の雲の正体は、上空10km以上もの高所に浮かんでいる氷の粒だそうです。これが上空の強い風によって流されながら蒸発することによって、細かい糸のような雲になるんだそうです。
話は変わりますが、テレビをつけると(ちょっと古風な言い方ですが)、グルメリポートが必ずどこかのチャンネルで放映されています。嫌いではないのでつい見てしまいますが、気になるのがリポーターの言葉、内容、仕方です。
まず、リポートの内容です。必ず「んー!」という第一声から始まり、「○○だけど△△ですねー!」「おいしいです!」「まいうー!」と、型にはまったリポートにはうんざりします。それでも食される品に惹かれて見続けてしまいますが…。
二つめは、口の中に食べ物を入れたまま話す姿です。小さい頃、母親からは「食べながら、しゃべんな!」と繰り返し注意されました。相手の口の中に入っている食べ物が見えるということは、お世辞にもきれいとは言えません。品のない下品なことだと思います。そんな自分も時々やらかしてしまいますが…。少なくとも、全国放映される食レポのみなさんは十分気をつけて欲しいと思います。
三つめに気になるのは、芸人「平野ノラ」のように長い髪をかき上げて食する姿です。ラーメンどんぶりに髪がひたるようであれば、髪を結びなさいと言いたくなります。
最後は、箸の持ち方です。昔ほどやかましくなくなってきたと思いますが、気になります。普段の持ち方をリポートのために急に変えてもバレバレです。やはり正しい持ち方は美しさにつながります。学校に勤務している時は、子ども達に箸の持ち方と鉛筆の持ち方は同じだよと繰り返し教えました。箸を正しく持てないと、鉛筆も正しく持てないよと。
また、使い方にも気を配るべきです。という自分も見苦しい時もありますが、次のような使い方は「嫌い箸」と呼ばれていてマナー違反だとされています。
(「まとめニュースチャンネルプラス」より転写引用)
美しい女性リポーターであれば化粧や髪型、服装と同じくらい、いやそれ以上に言葉や仕草にも気をしっかり配って欲しいと思います。「見た目」とよく言いますが、親から授かった容姿は変えることはできません。しかしながら、仕草や立ち居振る舞いに気をつけることで身のこなしを少しは美しくすることができるのではないでしょうか。秋の空のように爽やかに。
今回は、自戒を込めた年寄りの小言でした。(2017.9.28)