社長ブログ

衣替え

2020.06.01

6月1日というと最初に思い出されるのは「衣替え」です。「衣更え」「更衣」とも表されますが、古くは平安時代から始まった日本の文化の一つです。
今は、地球温暖化の影響もあり、5月から夏の服装へ移行することも多く(クールビズも5月から始まっています)、6月1日を契機に服を替えることは少なくなったのではないでしょうか。
その「衣替え」が、特に「6月1日の衣替え」が今も残っているのが学校です。学校といっても、制服がある小学校は一部なので、中学校と高校のみといってもいいのではないでしょうか。この頃は、5月でも暑い日が多く、気持ち的にはすでに夏なのですが、白い制服姿の生徒たちを見かけると、「いよいよ本格的な夏が始まるのだなあ」と改めて感じます。
DSC0196420200601.JPG時代とともに服装に関する考え方もどんどん変わり、流行はあると思いますが、それに縛られることなく、自分の好きなものを自分らしく着る社会になってきたように思います。
その流れからすると、当然、学校の制服もなくなり私服に変わっていくだろうと思っていましたが、意外に学校の制服は根強く残っています。はっきりした理由はわかりません(かなり前に、私服登校の日を設けた中学校の話です。最初、生徒は喜んだのですが、次第に着ていく服に困り、制服の方が他人の目を気にすることなく安心だということで私服登校の日は廃止されたそうです)。
制服といっても、私が中学校、高校の頃に比べれば自由度は大きくなっています。高校の夏服ですが、ポロシャツ着用可能な学校が多くなっているようです。色も、白に限らず、紺、黒、グレーなどの地味な色なら可能なようです。中学校でも、2年前にポロシャツを導入した学校があります。また、「衣替え」の時期も、暑かろうが寒かろうが6月1日から一斉に夏の制服に切り替える昔と違い、前後1週間程度の移行期間を設けている学校がほとんどです。
変化の激しい現代社会の中で、少しばかりの自由が加わりながら、中学校と高校の制服は今も生き続けています。そのお陰で、「衣替え」という季節を感じる文化を忘れずにいることができます。もし、中学校と高校の制服が無くなったら、「衣替え」の言葉も廃れて、日常から消えてしまうのでしょうか。そう考えると、衣類の一種としての「単なる制服」ではなく、日本古来の文化の一つ「衣替え」を守っている「文化の継承者」のようにも思えてきます。(2020.6.1)

« 社長ブログ 一覧 »