社長ブログ

七夕と花山の星空

2020.07.01

暦年でいうところの1年の半分が過ぎ、いよいよ後半の7月です。本格的な梅雨空とムッとする蒸し暑さが続き、私にとっては苦手な季節です。7月という言葉から思い浮かぶのは「七夕」です。また、それに関連して「天の川」や「織姫と彦星」など星空に関したことも思い浮かびます。
 
まず、「織姫と彦星」に関して余計な話を一つ。仙台をホームタウンとするサッカーJ1クラブ「ベガルタ仙台」のベガルタは、仙台名物の七夕にちなみ、「織姫」と「彦星」とされる星の名前、「ベガ (Vega)」と「アルタイル (Altair)」を合わせた造語です。
ベガルタ仙台の前身は東北電力サッカー部で、創部3年目の1991年から東北社会人サッカーリーグにおいて3年連続2位となり、1994年にプロサッカークラブ「ブランメル仙台」を立ち上げました。ちなみに、3年連続優勝したチームはモンテディオ山形の前進であるNEC山形サッカー部でした。
今回のメインの星空にもどります。今、全く雲のない、透き通った夜空を見上げても、見える星の数はとても少ないと思います。ご存じの通り人工の明かりが増えた影響です。金星はもちろん、北極星や北斗七星ははっきり見えますが、私が子供の頃は見える星の数はもっと多かったと思います。また、天の中心部分の星は見えますが、地上に近い端の部分に星を見ることはできず、星空が狭くなったような(?)感じがします。
DSC_0910003.JPG20年以上前の話になりますが、当時勤務していた山形七中の2年生は、毎年5月、宮城県の栗駒山近くの「国立花山少年自然の家」での2泊3日の宿泊学習が恒例でした。花山少年自然の家は、奥羽山脈の山奥にあり、人里から遠く離れた本格的な自然の家です。1日目の夜のプログラムは定番の「夜間ハイキング」です。夜間ハイキングは真っ暗なコース(山道)を懐中電灯は持たずに行動するため、どうしても足下だけに注意がいきます。そのため、空を見上げる余裕などありません。コースを回り終わった班から中央広場で他の班の到着を待ちますが、暗闇で怖いので隣同士で話はしますが上を見ることはありません。全部の班が到着し、静かになったところを見計らって、「上を見てごらん」と声をかけると、「ウワー」という大歓声が上がります。山形市では見ることができない、降ってくるような星空に生徒は驚きます。恐ろしいほどの数の星が花山の天空を埋め尽くしています。天の中心はもちろん、自然の家の周りの木々にくっつくように端っこまで星が見え、「まるで宇宙にいるような星空」を体験した瞬間でした(残念ながら、山形県からの、花山少年自然の家の利用は年々減少し、現在はほんの数校だけとのことです)。
9年前に同じ体験をしました。東日本大震災が発生した直後、県内のほとんどが停電になった真っ暗な夜のことです。時々雪が降ってくる曇り空でしたが、帰宅許可が出た夜7時、鳥海小・中中学校の昇降口を出た時、偶然にも雪雲が切れ、「こんなに星ってあるのか!」という星空を見ました。人工の明かりが消えると、原始の星空が、すぐに現れるんだと思いました。
山形市内では、花山の星空みたいに、降ってくるような星空は見られませんが、たまには「七夕」の夜、星をのんびりと眺めるのもいいかもしれません。(2020.7.1)

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