社長ブログ

初めての入院

2020.07.21

個人情報なので詳細には触れませんが、人生で初めて入院しました。たった3日間だけですが、「制約される生活は想像以上に大変。あと、いいです!」と言うのが率直な感想です。
それでも「入院から学ぶものがあった」と強がって見せるのは元教師のサガなのか…。
学んだこと(その1)「車椅子」
指の治療の局部麻酔は何回か経験がありますが、下半身全部が麻痺する様な麻酔は初めてでした。病室にもどるときの移動方法は車椅子です。看護師さんに押されて「ドナドナドーナドーナ~♪」と売られていく子牛のごとく進む車椅子に乗りながら、「あれ? 俺って、今まで車椅子乗ったことがないかも…」「まずいなぁ」と急に暗い気持ちになりました。
というのも、私自身、街で車椅子を押したり、持ち上げたりという経験があったので、「自分は車椅子に乗ったことがある」と勝手に脳にインプットしていたからです。さも車椅子乗車の経験があるかのように、「車椅子を利用する人の身になって考えてみよう」と社会科の授業でヘラヘラ言いました。車椅子を使って生徒に乗車体験させたときも、「実際に体験することが大事なんだ」とヘラヘラ言いました。「やばいなぁ~。偉そうに言ってしまった…」と深く反省しています。
無理やり話題を「学んだこと」に戻して、実際に車椅子に乗ってみての「気づき」を述べます。
気づき1:意外とアイポイントが低い(立っている人がプロバスケットの選手に見える感じ)
気づき2:意外と不安定(力の加減を間違えると車椅子ごと倒れそう)
気づき3:廊下が狭く感じる(人や物の間を通過するときぶつかりそう)
気づき4:乗り降りが大変(足が麻痺しているので、ベッドへの移動は危なかった)
気づき5:重量級患者は重労働(私を押してくれた看護師さんが大変そうだった。全身の力を込めて押して、ようやく動き出す。狭い場所での方向転換はとても難儀で、ゴミ箱やコンセントにぶつかりながら何回も切り返して、ようやく脱出)
学んだこと(その2)「食器の工夫」
DSC_06362020.JPG入院の楽しみは食事しかないと言っても過言ではありません。ご飯のどんぶりと味噌汁のお椀は保温のため二重構造になっていて、分厚い蓋がついています。ベッドの傍らで、無人島にいるかのごとく、孤独に食べている最中はとても暇なので、蓋を眺めるしかありませんでした。「おっ!」、小さくですが、蓋の一部分がぶっ欠けていることを発見しました。でも、私は気にしません。次の食事の時も、どんぶりの蓋の一部分がぶっ欠けていました。「連続かよ…」、でも、私は気にしません。しかし、そのぶっ欠けが私に向かって「俺はぶっ欠けじゃねぇよ。もっとよく見ろ!」と呼びかけてきます。しょうがないので、じっと見ると、人為的な二等辺三角形のぶっ欠けであることに気づきました。お椀の蓋にも同じようなぶっ欠けがあります。「なるほど!」、私は気づきました。説明します。
よくあること:食堂や旅館で汁椀の蓋がなかなか取れなくて苦戦したこと。病院で、それは困ります。これは、「ぶっ欠け」ではなく、蓋を取りやすくするための由緒正しい「空気溝」だったのです。
私の病室には、他に5名の患者さんがいました。看護師さんとの会話などから、みんな大変な不安(私もそうでしたが、むしろ恐怖の方が正しいかも)で一杯一杯な状態であることが伝わってきました。皆さんの早い回復と退院を願っています。(2020.7.21)

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