熊野神社のお祭
2020.10.15
かつて10月10日(東京オリンピックの開会式が行われた日)は祝日「体育の日」でした。2000年以降は固定日ではない10月第二月曜日となり、さらに今年から名称が「スポーツの日」に変更されました。
その10月10日の前日、10月9日は天童市久野本にある「熊野神社のお祭り」の日です。東京オリンピックの開会式を10月10日にしたのは、統計資料から晴れの日が多いから決めたと聞いています。従って、「熊野神社のお祭り」も晴れの日が多かったと記憶しています。
また、「明日も学校かぁー」という平日開催のお祭りは気分的にイマイチでしたが、「熊野神社のお祭り」だけは、必ず次の日は「体育の日」で休みだったので思い存分遊び回りました。小学校高学年や中学生になると、夕食後、またお祭りに出かけ、夜8時頃までフラフラしていました。
「熊野神社のお祭り」には多くの出店(でみせ)が並びます。一般的な神社の出店は、参道の両側に一列に並んでいるというイメージですが、「熊野神社のお祭り」の出店は迷路のような「激しい密」の状態が特色です。正方形に近い境内に、二重三重と出店が並び、境内のすべての場所が出店のテントで埋め尽くされるといっても過言ではありません。それを目当てに、多くの人が集まり、出店と出店の間の狭い通路はまともに歩けないほど「にぎやか」な状況で、小中学校の頃は、これがまた心のウキウキ感を刺激しました。
今は、お祭りで売っているようなものは1年中コンビニで買えますし、大型店は常に「にぎわい」を見せています。そのため、神社のお祭りといっても、山門に大きなのぼり旗が立っているので「お祭り」とわかりますが、出店などはまったくない、寂しい「お祭り」はめずらしくありません。
私が住んでいる地区の「加茂神社のお祭り」も同様で、出店はゼロです。熊野神社の神主である同級生が神事のために来てくれたとき、「熊野神社は相変わらずにぎやかだずね」と話しかけると、「いやいや。出店の数は結構減ってんのよう」とのことでした。
確かに、全盛期の比べれば出店の数も集まる人も少なくなっていますし、2000年から「祝日の前日」ではなくなりましたが、今でも、地元の住民だけでなく、日中から夕方にかけては小学生が、夕方から夜にかけては部活動が終わった中高校生が多く押し寄せ、相変わらずの「にぎわい」を維持しています。
残念なことに、今年はコロナのため出店は中止になってしまいました。夕方、神社に行って見ると、お参りに来る人もまばらで、巨木に囲まれた薄暗い境内は、寂しいよりは怖い感じでした。
コロナ収束後は、昔ながらの「にぎわい」を感じることができる数少ないお祭りとして、そして、私の子どもの頃の記憶をよみがえらせてくれる不変の景色として、「熊野神社のお祭り」が例年並みに復活することを祈っています。(2020.10.15)
追伸:写真はお祭り2日後の熊野神社の様子です。境内の真ん中に、社会科の授業でも教材として使わせてもらった国土地理院の「水準点(105.6m)」があります。