社長ブログ

奇遇 メキシコとの3位決定戦

2021.08.17

コロナ禍の混乱の中で開催された東京2020オリンピックもなんとか終了しました。
サッカーのことだけで恐縮なのですが、男子サッカーは惜しくも準決勝でスペインに延長後半に得点を決められ、3位決定戦に回りました。対戦相手はメキシコ。奇遇にも53年前に日本が銅メダルを獲得した時と同じ相手でした。
私がサッカーを始めたのは、当時のサッカー少年の定番のごとく、53年前のメキシコオリンピックの日本チームの活躍を見たときからでした。
7ゴールを決め得点王になった釜本、ウイング(今は死語に近いサイド攻撃専門のFW)といえば杉山、安定した中盤を作った小城、3位決定戦でPKをとめたGKの横山など、今の日本代表に引けを取らない個性豊かなメンバーがそろっていました。
その中でも、印象に残っていたのは、スーパーサブの渡辺正。予選リーグのブラジル戦。0-1で敗北が濃厚となった試合終盤。試合終了までラスト8分で交代出場し、直後に同点弾をブラジルゴールにたたき込みました。登校前の、大忙しの時間帯。朝食の茶碗片手に、テレビの前で大興奮したのを今でも思い出します。
準決勝は、優勝したハンガリー(当時のアマチュアナンバーワン。マジックマジャールと称され、ヘルシンキ大会で金、ローマ大会で銅、東京大会で金)に敗れ、3位決定戦に回りました。
DSC_1184copy.JPG3位決定戦の相手は地元メキシコです。会場のアステカスタジアム(当時は13万人収容の巨大サッカー専用スタジアム。後に、2回のワールドカップの決勝戦でも使われ、1970年大会では王様ペレが、1986年大会では神の子マラドーナがワールドカップを高々と掲げた歴史あるスタジアム)は地元サポーターで溢れ、完全アウエーでした。
前半、釜本2ゴールでリード。後半、メキシコがPKを得ましたが、GK横山がこれを止めると、スタジアムの雰囲気は一転。ヤポン(日本)、ヤポンの大声援に代わり、地元メキシコチームの不甲斐なさから日本を応援するという前代未聞のことが起きました。
今回の東京2020大会は、残念ながらホームの日本が1-3でアウエーのメキシコに敗れ、奇しくも1968年メキシコ大会とは全く逆の結果となりました。
しかし、1968年メキシコ大会とは違うと感じたことが二つあります(個人的な意見です)。
一つは、3点を失っても、日本チームは攻め続けたことです。三苫のゴールで1点を返し、なおも攻め続け、アディッショナルタイムに入ってもあきらめず戦いました。テレビでの観戦でしたが、最後まで熱く観戦できたのは、このあきらめない姿勢が画面を通じて感じられたからです。
もう一つは無観客です。53年前は、ホームメキシコの観客は、終盤、アウエー日本を応援しました。もし、今回、埼玉スタジアムに6万人の観客が入っていたら、どうだったでしょうか? 53年前には想定もしなかっただろう「無観客」。それだけではなく、53年前とはオリンピックそのものが変わってしまったのではないかと思います。
※写真:8月6日 馬見ヶ崎河原に咲くアメリカフヨウと済生病院

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