石だらけの家庭菜園
2022.06.15
我が家の一軒北隣に少しばかりの土地を所有しています。
我が家があるのは住宅街で、多くの家が建ち並んでいます。町内の全ての土地に家や建物が建っており、新規に購入できる土地は全くありません。しかし7年前、一軒北隣の空き家が取り壊され、更地となり、売りに出されました。売りに出されて数日後、この売値が妥当なのかも吟味することもなく、電光石火で我が家はその土地を購入しました。
焦って購入した最大の理由は、長女が就職して車の台数が増え、少し離れたところに1台分だけ駐車場を借りていたことです。早速、購入した土地の5分の3に採石を敷き、車が駐められるように整備しました。残りの5分の2の土地は更地のままです。
翌年から、私の父母が、更地の土地に野菜や花を植え始めました。更地のままだと散歩中の犬がフンをしていくので、その防止策のため家庭菜園のまねごとを始めたのです。
しかし、もともと農地ではなく住宅地。土を耕そうとすると、すぐに、石やコンクリート片にぶつかり、鍬やスコップが跳ね返され、手に激しい衝撃が伝わります。高齢の父母には、本格的に土地を耕すことは難しく、作物の苗や種を植えるところだけ石を取り除き、かろうじて出てきた土に、その苗や種が持つ「石に負けない根性」に期待して植える家庭菜園をしてきました。
しかし、父母も年齢を重ねるごとに畑仕事は体力的に難しくなってきました。ついに「今年は枝豆を少し植えるだけにする」と畑に関わることをやめる宣言をしました。
このままでは更地の大部分が荒れ地になってしまいます。「犬のフンは絶対阻止!」、これが最大の動機になり、今まで畑に関してはノータッチだった私が、畑を引き継ぐ決意をしました。
農作業はあまり得意ではない私ですが、4月から少しずつ畑に足を運んでいます。畑にしている部分は、冬は2mの高さを超える山脈状態の雪捨て場。雪が溶けた4月当初、昨年の花や野菜などの枯れた植物が、雪に押しつぶされ、茶色の干物状態で土地にへばりついたまま現れました。その下には、大小様々な石が、これまた地面にプレスしたように土に覆い被さっています。
まず、大型の熊手のようなもので石を取り除こうとしました。しかし、枯れた植物は少しだけ集めることができましたが、石は全く動きません。次にスコップを手にしましたが役に立ちません。ついに、鍬登場! ですが、土を耕すというよりは、鉄(鍬)と石との格闘という表現がピッタシの状況です。ちょっと掘っては(むしろ強引に石を叩き続けては)大きな石を取り除き、またちょっと掘っては大きな石を取り除く作業を繰り返し、20~30cmの深さまでは根性で掘り返しましたが、下に行くほど巨大な石が行く手を阻むので、その深さであきらめました。半日の作業で、幅60cm位、長さ2m位の畝(うね)のベースを2本作りました。そこに、ホームセンターから購入した培養土10袋を敷いて、なんとか畑らしい、柔らかく盛り上がった畝を2本作りました。
ちょっと立派な畝になったので、急にやる気が出てきて、早速、ミニトマトの苗を5本購入し植えてみました。「なんか家庭菜園も面白いかも!」、 徐々に頑張ってみようという気持ちになってきました(成果は続編で)。
写真:少し成長したミニトマト「アイコ」と「ひとくちキュウリ」 撮影:6月15日午前7時