社長ブログ

サマータイム

2020.07.14

7月と言えば夏休み。しかし、今年はコロナウイルスのため、学校の夏休みは遙か彼方です。
さて、夏至から半月が過ぎましたが、今も朝の4時頃から夕方の7時頃まで明るく、1年で最も長く屋外活動ができる時期です。また、早起きして何か「ひと仕事」するにはもってこいの季節でもあります。そんなことを考えているうち、アメリカで体験したサマータイムを思い出しました。
まず、雑学から。かつて日本でもサマータイムが導入されていました。GHQ政権下の1948年から4年間、電力不足を補うことなどを理由に始められましたが、多くの国民の反対で廃止されました。最近では、東京オリンピックの猛暑対策で、サマータイムが一時話題になりました。
PICT0110202001.JPGアメリカのサマータイムは、資源節約を目的に第二世界大戦中に復活し、現在に至っています。実施期間は、3月第2日曜日から11月第1日曜日まで(今年は3月8日から11月1日まで)です。サマータイムというと、なんとなく真夏の3ヶ月間ぐらいの期間というイメージですが、約8ヶ月間という結構長い期間実施しています。私が研修で訪問した2003年は、今より少し短い期間で、4月第1日曜日から10月第4日曜日まででした。訪問した時期はサマータイムが終盤の10月中旬。訪問先はロサンゼルスの南、IT関係企業が多く集まる新興都市のアーバイン市です。
印象に残っている一つ目。サマータイム(標準時間より1時間早い)なので、まだ真っ暗な朝5時。なんと、ホテルの真横を走る片側7車線のサンディエゴ・フリーウェイの登り車線が、ベッドライトをつけた車で大渋滞していたことです。しばし、驚きと疑問を感じながら大渋滞を眺めていました。大渋滞の理由は、多くの企業の始業時刻が早朝の6時頃だということです。アメリカは国土が広大なため4つの時間帯があります。やはり経済の中心はニューヨークで、一番東側の時間帯です。ロサンゼルスは一番西側の時間帯で、3時間の時差があります。例えば、ニューヨークの本社の始業時刻が9時とします。ロサンゼルの支社がそれに合わせれば、6時の始業時刻になってしまうのです。こんなに秋深くまでサマータイムを引っ張らなければ、出勤する時は、もう少し明るいだろうにと思ってしまいました。
二つ目は、10月26日午前2時にサマータイムが終了したときです。日本なら、前日から「サマータイムが終了します」「時計を1時間戻してください」と、テレビや新聞を通して何回も、うるさいほど注意喚起するだろうと思われます。しかし、何もありませんでした。騒ぐわけでもなく、ホテルのフロント係が「時計の調整はしましたか?」と言ってくれるわけでもなく、前日と変わりない、普通の一日の様に標準時間の生活が始まっていることに驚きました。そんな中、ホッとするものをバスの車窓から見つけました。それは、大きなビルの壁に設置してある、まだサマータイムのままの巨大時計です。時計なんですが、「あっ。忘れてました…」と言っているようでした。
もし、日本でもサマータイムが導入されたらどうでしょう。1時間早く帰宅し、夕方の時間を有効に使う「ゆとりのある生活」になるでしょうか? 働き方改革の真っ最中に、まさか「明るい分もっと部活動をしよう!」はさすがにないと思いますが…。(2020.7.14)

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