社長ブログ

フードマイレージ

2008.06.10

もうすぐ、みなさまに当社の情報誌“教育フロンティア”52号をお届けすることができます。今回の特集は「食育」です。ぜひご覧ください。
その中で、高畠町立二井宿小学校の食農教育をご紹介いたしました。学校給食の50%を「自給」するというユニークな実践です。そうしましたら、6月5日付け山形新聞、環境月間にちなんだ特集の中、「実践 フードマイレージ」の見出しで、二井宿小学校が取り上げられていました。
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恥ずかしながら、私はこれまで「フードマイレージ」という言葉を知りませんでした。「マイレージ」はよく聞く言葉で、「飛行機に乗ってマイレージを貯める」などと言います。マイレージを貯めて、航空券や商品と交換することができます。ですから、マイレージのポイントは多いほど喜ばれるのです。
ところが、「フードマイレージ」は、多いほどよくないもののようです。ウイキペディアによれば、「食料の輸送距離の意味。重量×距離(トン・キロメートル t・km)で表す。食品の生産地と消費地が近ければフードマイレージは小さくなり、遠くから運んでくると大きくなる」。
2001年の農林水産省の試算が出ていましたが、驚くべき数字です。日本は9002億800万t・kmで、ダントツ世界一。韓国は3171億6900万t・km、アメリカは2958億2100万t・km。そして、農水省幹部が、「現代の日本人が歴史上どの時代における、どの国の王侯貴族よりも贅沢な食事をしている」と解説しているそうです。
日本のフードマイレージがこんなに高いなんて知りませんでした。考えてみれば、あれだけ日本の農業を台無しにして、食料を外国から運んできているのですから、当然といえば当然でしょう。その中でも、アメリカからの輸入によるマイレージが65.7%です。
日本でこれだけ環境によくない食べ物を食べている時、山形県はがんばっています。学校給食の半分を自給する二井宿小学校のように、フードマイレージを減らそうとする取り組みが盛んであり、そうして育った子どもたちが、これからの日本の環境を、いや地球環境を変えていくのです。
そう思っていたら、フードマイレージの考え方には、輸送にかかるエネルギー消費だけの問題ではないことが分かりました。我が山形のサクランボ、ビニルハウス内で暖房し、早い時期に出荷しているものがあります。それはそれで、フードマイレージは高いのです。
サクランボづくりも、子どもたちに叱られないように、適地適作、適時適作、さらには無農薬、有機栽培など、できないのかなあ。

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