社長ブログ

金木犀(キンモクセイ)酒

2008.10.28

会社の会合があったので金木犀酒を持参しました。少しばかりですが、これがとてもうまくできたのです。3年ものの古酒です。金木犀は、「吾無隠乎爾」でも書きましたように、私の大好きな花の一つです。と同時に、大好きな果実酒の材料です。
50年以上も前に、庭の片隅に植えました。ところが、何年たっても花をつけません。北風が通る、その場所がだめなのではないかということで、南西の角に移植しました。それがよかったのか、2年後に花をつけ、それから毎年、たくさんの花をつけます。
金木犀を植えたのは、今は亡き父でした。県庁つとめの父は、県庁、今の文翔館ですが、その正面玄関の両側にあった金木犀を忘れられず、あのように、薫り高い大木になることを夢見ていたのだと思います。今、旧県庁の、その金木犀はありません。
旧県庁の金木犀と同じくらい見事なものが、山形大学の金木犀でした。我が家の金木犀がまだ軒にも達しない頃、数本の、それこそ屋根をも越える金木犀の大木が藪をつくり、黄金の館となっていました。大学北門近くのこの金木犀も、今はありません。
次に驚いたのが、山家の金勝寺の金木犀でした。ある年の秋、訪れた境内は秋の日をいっぱいに浴びて、垣のお茶の花が真っ盛りでした。山門をくぐり、本堂の前近く、えもいわれぬ香が漂っていました。本堂の脇に、それこそ金と銀のタワーが、並んで立っていました。
金木犀の華やいだ香とはひと味も違う、おとなしい気品のある香の銀木犀、その二つの木犀の香りが交じり合って漂っていたのでした。しばらく見とれて、香をかいで、そして決めたのです、「金木犀のとなりに、銀木犀をうえるぞ!」
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その後、街中にもたくさんの木犀があることに気づきました。市民会館北側の金木犀の垣根、市庁舎の金木犀、山大附属小の中庭の柊(ヒイラギ)木犀、もみじ公園(旧宝幢寺庭園)の柊木犀などです。柊木犀の香りは、銀木犀よりもっと上品で、うっとりします。
我が家の金木犀が屋根を越え、たくさん花をつけるようになってから、金木犀酒をつくるようになりました。つくり方は、果実酒と同じです。金木犀の華やかな香をとじこめて、かぐわしいお酒ができるのです。ものの本によれば、「精神安定、鎮静、滋養強壮、便秘、健胃、整腸、疲労回復、安眠、強壮、美容」などに効果があるそうです。
銀木犀は、ようやくたくさん花をつけるようになったので、来年は、銀木犀酒もつくってみようかと思っています。どんなお酒になるか楽しみです。これまで、ほかに、サンシュユ酒、ナツメ酒、ザクロ酒などをつくってみました。楽しいものです。
金木犀酒をおちょこに半分くらい入れて、氷を入れ、オンザロック。香りを楽しみながらいただく食前酒は、最高! 食もすすむのが、ちょっと…。

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