社長ブログ

五百光年とは

2009.02.03

『ラクダイ横丁』では、ヨシムラさんが「あの三つ星は、五百光年、つまり、あの星の光が、あそこから、ここまでとどくのに五百年もかかっているんだ」といっていますが、いろいろ調べてみると、500光年はベテルギウスのようです。ちなみに、リゲルは700光年、三つ星は1,300光年~1,500光年といわれています。
それはさておき、子どもたちに500光年をどう教えるかは、おもしろいことです。高学年になると、星の話なんかは、教師よりずっと詳しい子どもがいるものです。そういう子どもの活躍の場とするのが一番よいのですが、とても長い時間かかってとどいた光ということはとらえさせなければなりません。
ご存じの通り、光の速さは1秒間に30万キロメートル、「地球を7まわり半」といわれています。その光が1年かかって進む距離が1光年です。1秒で30万㎞ですから、30×60で、1分では1,800万㎞、1,800×60で、1時間では108,000万㎞、108,000×24で、1日では2,592,000万㎞となります。
もうここまでくれば、読むのも一苦労、その距離感はまったくわからないものになってしまいました。この1日2,592,000万㎞、これが1年、365日ですから、2,592,000×365で、946,080,000万㎞。これでまだ1光年です。
こんな計算を黒板の上でして見せることも、5年生の子どもにはよいのかもしれません。オリオンと地球は、考えられないくらい離れているのだということを、感じてもらえればよいのですから。これは、距離という見方ですが、光が届く時間という見方もあります。
オリオンで、今ぴかっと光ったその光が、地球に届くのはいつかという見方です。これは簡単です。500年後です。つまり、今日の今、見えている光は、500年前の光だということになります。これは子どもにとっては不思議な見方です。
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500年前のオリオンを私たちは知りません。でも、500年前のこの地球という星のことはわかります。日本でいえばちょうど戦国時代、時代は少し後になりますが「天地人」、直江兼続は永禄3年(1560年)生まれです。その兼続が活躍した頃です。
ヨシムラさんの思いはこうなのです。「500年前の光、兼続が毎日の暮らしを続けていたころの光、それは、私のおじいさんの、おじいさん、そのまたおじいさん、そのおじいさん、もっともっと昔に暮らしていたおじいさんの光。それが今届いている。私とオリオンとの間にあるこの悠久の時間、それに比べたら、1年や2年」
読解の授業の教材研究は、かくのごとく、算数、数学も、理科も、社会科も、あらゆる学問の研究になるのです。先生という職業、お金をいただいて勉強できるのですね。

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