社長ブログ

いまだに難しいジャッジ

2022.04.15

私がサッカーの審判の資格を取ってから39年が経ちます。3級審判なのですが、いまだに更新講習を受講し、年会費を納めて資格を維持しています。今は、実際に笛を吹くことやアシスタントレフリーフラッグを持って走ることはありません(どこからもオファーは無し。ダッシュは無理と自覚)。最後に審判をしたのは、かれこれ10年前の中学校の東村山地区総合体育大会です。
なぜ、審判資格を更新し続けているのか? それは、「もしかしたら、何かの役に立つかもしれない」という、小さな希望を捨てきれずにいるからです。そして、もう一つ。数年前までは、更新講習は、年1回、受講者が一堂に会する対面での講習会だったので、同じ時代にサッカーに携わったサッカー仲間と顔を合わせることができるという、同窓会的な楽しみがあったからです(今は、対面での講習会ではなく、日本サッカー協会のWEBによる、個人ごと自宅のパソコンに向かう孤独な講習となっています)。

話は飛びますが、4月3日、J2リーグのモンテディオ山形VSファジアーノ岡山の試合で、めったに起こらない(Jリーグでは初めてのケース、世界的にも珍しい)事案が発生しました。前半10分、M山形の半田選手がバックパスをした際、GK後藤選手との連携が悪く、ボールは自陣ゴールに向かって転がり、あわやオウンゴールという場面。GK後藤選手が必死に手でボールをかき出し、オウンゴールを間一髪の所で防ぎました。
ルール上は、味方選手が足で蹴ったパスは、GKは手で扱うことはできないとなっています。もし、手で扱ってしまったら、その場所から相手チームに間接フリーキックが与えられます。
今回もルール通り、相手チームの間接フリーキックでゲームは再開しましたが、再開前にGK後藤選手に対して、なんとレッドカードが出され退場処分となってしまいました。その後の80分間を、山形は一人少ない10人で戦うことになったのです。
サッカーでは、得点が期待される決定的な場面(例えばGKと1対1)で、守備側がファールをして止めた場合、そのファールをした選手は「決定機の阻止」とみなされ退場処分となります。
しかし、今回のケースは、バックパスがパスミスとなり、オウンゴールになりそうになっただけで、相手は攻撃しているわけでもないのに、これも「決定機の阻止」になるの? と、私もすっきりしませんでした。試合終了後、M山形もJリーグに対して正式に質問及び確認を行いました。
翌日4月4日、Jリーグは、退場処分は「競技規則の適用ミス」と発表しました。
試合中のレフリーがジャッジを誤る「誤審」と違い、「競技規則の適用ミス」は誰がみても誤りなので、過去に再試合(PK合戦のみだったが)となった例があります。
翌々日の4月5日、Jリーグは再試合を決定しましたが、1試合分がまるまる再試合となるのは初めてのケースなので、前半10分からの試合になるのか、同じメンバーなのかなど決めなければならないことがいくつか残っているため、再試合の詳細については検討中です。

このように、世界中で、しかもプロのレフリーでさえ間違うことが多々あるサッカーのジャッジは本当に難しく、39年間サッカーの試合を見続けていても、「今のは何のファール?」「ファールとらないの?」という場面にしょっちゅう出くわします。毎年講習を受けてもいまだにわからないことが多い、シルバーカテゴリーに片足を突っ込んだ「一(いち)レフリー」のぼやきでした。

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