社長ブログ

最近読んだ文章から考える

2023.12.01

《おばあさんのしんぶん》
11月15日の山形新聞のオピニオン(投稿欄)に、岩國哲人氏の実話を元にした絵本「おばあさんのしんぶん」に関連した投稿記事を見つけました。
絵本の内容を簡単に紹介すると、新聞を読みたかった岩國少年でしたが、家が経済的に苦しく、当然新聞もとることができませんでした。そこで、小学校5年生から新聞配達を始めました。配達先の、あるおじいさんが、読み終わった新聞を、毎日、岩國少年に読ませてくれました。おじいさんが亡くなった後も、おばあさんが今まで通り読ませてくれました。しばらくして、そのおばあさんも亡くなりました。おばあさんの葬儀の時、「実は、おばあさんは字が読めなかったんだ」ということを、そして、岩國少年に新聞を読ませたいがため新聞をとっていたことを知ります。岩國少年は涙が止まりませんでした、という話です。
この投稿記事を読んだあと、あることがよみがえってきました。私も小学校6年生の冬から夕刊の配達を始めました。配達を始めてまもない頃のことです。配達先に、リンゴ畑に隣接した平屋の一戸建ての貸家がありました。その日は、みぞれが降る寒い日で、配達の時はすでに薄暗くなっていました。その家の郵便受けに新聞を入れたとき、突然戸が開き、中から怖そうなおじさんが出てきました。ちょっとヤクザっぽい感じだったので恐怖を感じました。とっさに挨拶はしましたが、早く立ち去ろうと走り始めたときです。「おい、兄ちゃん。お汁粉食っていけや」とそのおじさんが声をかけてきます。「断ったら何をされるかわからない…」と覚悟を決め、玄関に待たされること数分。「温め直してきたからな」と、お汁粉がなみなみに入ったとても熱いお椀を手渡してくれました。いち早くこの場を立ち去りたい私は、急いでお汁粉を食べ終わりたかったのですが、熱くて食べられません。その間、おじさんが話しかけてきますが、どんな会話をしたか全く覚えていません。ようやく完食すると、「もう1杯どうだ」と勧められましたが、丁寧にお断りして玄関を出ました。
大人になってから、その時のことを思い出すことがあります。あの日、怖そうなおじさんはどんな気持ちで、みぞれでずぶ濡れの新聞配達の少年にお汁粉をごちそうしたのだろうか? 今となっては、知るよしもありませんが、あの時のお汁粉はメチャクチャおいしかったです。もう、53年も前の話になってしまったんですねぇ…。

《武田鉄矢氏のインタビュー》
日本教育公務員弘済会の教育情報誌『きょうこう』45号の巻頭インタビューに、俳優の「武田鉄矢」氏のインタビュー記事が載っています。大変興味深く読ませていただきましたが、その中でも次の文章が、今の自分に刺さってきました。
「自分の『問い』をホールドにしておくこと。歳月がたって『解』に巡り会えたときのトキメキは別格です。AIはすぐに答えを出してくれますが、すぐ分かることは面白くない。表情のないものはつまらない。AIに寅さんは書けないでしょう(笑)」
私が教師を引退してから5年経ちますが、未だに、テレビを見ていても、新聞を見ていても、街を歩いていても、郊外を走っていても、「分からないこと」「不思議なこと」など「疑問」だらけです。
それを知ったからといって、役に立つのか分かりませんし、試験があるわけでもないのに、自分なりに考えたり、調べたりが結構楽しい。残念ながら、すぐに忘れてしまうのですが…。
写真 11月21日快晴16:19 日没直後の標高の高い山のてっぺんだけが夕陽の染まる風景(立谷川 天山橋から奥羽山脈を望む)

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