社長ブログ

PH63年

2008.11.13

通勤の車中で、武田鉄矢の番組を聞いていることは前にも書きました。今朝の「三枚おろし」は、「ips細胞」でありますが、「PH」という年号の話がありました。「PH」とは、ポスト・ヒロシマの略です。
『ips細胞』という本の著者、八代嘉美さんが、その本の中で使っているそうです。この本は是非読んでみたいと思いますが、今日のところは、「PH」をインターネットで調べることにしました。
「PH」を提唱したのは、ハンガリー出身の作家、思想家、アーサー・ケストラーという人のようです。「人類が『種としての絶滅』を予感しながら生きて行かねばならなくなった1945年8月6日、人類史上初の原子爆弾が広島上空で太陽をしのぐ閃光を放った日を、人類にとって最も重要な日と位置づけ、この年をPH元年とするものです。」(未来幻想 2007-09-12)
今は西暦というか、キリスト誕生の日を原点とするキリスト教暦(AD)が一般的ではありますが、その意味で言えば、仏教暦やイスラム教暦でもよいわけです。日本のように元号を用いる国もあります。いっそ、人類にとって忘れてはいけない日ということで、全世界的に、1945年をPH元年とするという考え方です。
広島の平和公園一帯には60ちかくものいろいろな碑がありました。原爆で亡くなった多くの子どもたちの霊を慰める原爆の子の像には、「これはぼくらの叫びです これは私たちの祈りです 世界に平和をきずくための」という碑文がありました。
ローマ法王平和アピール碑には、「戦争は人間のしわざです。戦争は人間の生命を奪います。戦争は死そのものです。過去を振り返ることは、将来に対する責任をになうことです。ヒロシマを考えることは、核戦争を拒否することです。ヒロシマを考えることは、平和に対して責任を取ることです」の言葉。
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そうなのです、すべての碑文が訴えていることは、そして、私たちすべての人類が訴えることは、あの詩人がうたった、「どんな未来がこようとも、頬っぺいっぱいふくらまし、no more Hiroshimaの、金のトランペット吹き鳴らせ」なのです。
『ips細胞』の著者、八代さんは、これまでは、人類の命を奪う「核戦争の核」の時代であり、PH元年からは、人間の命を再生する「ips細胞の核」の時代と言っているそうです。PH元年、1945年をこう捉えると、未来に光が見えてきます。
沖縄や広島で、平和学習に真剣に取り組む若者に出会いました。心を込めて指導する先生方に会いました。その若い人たちが、これからの日本を、そして世界をつくるのです。これからは、ADではなくて、PHを使いましょう。今年はPH63年です。
そうです。私は1945年、PH元年生まれなのです。

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